堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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民間委託で区民サービスが低下した

東京・足立区で「自治体の役割と公共サービスのあり方を考える区民集会」に480人が集う (7月8日付)  6月17日、会場を埋め尽くす480人の区民・関係者が集まり、東京自治労連足立区職労が参加する「足立区政の外部化を考える会」主催の『6・17区民集自治体の役割と公共サービスのあり方を考える』が開かれました。  集会は、足立区が戸籍事務をはじめ区の公務公共サービスを丸ごと民間委託しようとしていることに対し、住民の立場から自治体のあり方を考え、行動するために開催しました。 このままの「外部化」なら裁判も  開会のあいさつに立った「考える会」代表の黒岩弁護士は、「6月3日の区長謝罪会見(*)がマスコミに大きく取り上げられ、戸籍業務委託の問題点がクローズアップされました。しかし、『区民を混乱させた』という点については謝罪したものの、国保介護保険・会計管理のみならず、さらに課税・保育所入所業務の委託を進めると宣言しています。このような状況が続くようであれば、裁判に訴えてでもたたかう」と述べました。 (*)窓口委託について「3時間以上待たされるなど混乱をおかけしたことについて、心よりお詫びする」  続いて考える会の会員3名から現状報告。 「区当局のずさんな対応を追及」  日本共産党ぬかが区議は、実際に戸籍窓口で区民が長時間も待たされるなどのサービス低下の実例を具体的に紹介。1月に開催した「区民のつどい」以降、大きく動いた状況について「区当局は、待ち時間が長くなったのは『引き継ぎ』と『繁忙期』だったからというが、実際は民間業者が行った仕事を区職員が一つ一つ確認することを東京法務局に求められたから。いわば二重行政となったことが原因だ。議会でも追及を続けている」と報告。 「公権力の行使は公務員が関与すべき事」  東京自治労連の喜入書記次長は、「いろいろな委託は全都で進んでいるが、ここまで窓口を全面委託しようとしているのは足立区が初めて。法務省から『民間業者まかせにせず、公権力の行使には公務員が関与しなければならない』という答弁を引き出したことは、大きな成果であり、さらに運動を広げていかなければならない」と強調しました。 「区職員のこれ以上の削減は限界」  最後に、足立区職労の二見書記次長が、「この間、区は民間委託を推し進めてきたため、減り続けた区の職員では、大災害時に区民の生命や安全を守れない。職員も一連の委託について不安に思っている。区民の声を聞けず、区政に反映できなくなることが心配される」と報告。 「民間委託の神話はすでに崩壊」  講演にたった東京自治労連弁護団の久保木弁護士は「民間委託でサービス向上と公費削減が実現できるという神話はすでに崩壊している。際限のない公務の市場化は、決して潤沢ではない地方財政から民間企業に収益を提供する一方、委託労働者の労働条件は引き下げられ、公共サービスの質を低下させた。業務の混乱等で被害を受けるのは区民、いいところが何もない。それを証明する材料は揃ったので、住民運動と公務労働者の共同で、民営化を跳ね返そう」と、自身のお子さんの保育園の委託問題もとりあげて、わかりやすく話しました。  集会に参加した区民からは、税金の無駄遣いや個人情報が民間企業にさらされることへの怒りや不安の発言がありました。集会の最後に鈴木足立区職労委員長が「経費は余計にかかる、サービスは低下する、こんな委託を許すわけにはいかない。区職労も区民のみなさんとともに、民間委託反対の運動に取り組みます」と挨拶して2時間の集会を終えました。 足立区の経過 1月:足立区が戸籍窓口民間委託 3月:区が戸籍関係の届け出を受理するかどうかの判断を民間業者に行わせたとして、東京法務局が業務手順を見直すよう3点の指摘。区は職員が受理するよう改めた。 4月30日:東京労働局が委託内容に問題がないか立入調査。