府議会否決
短期間に運動集中
(12月17日付)
大阪府議会は12月16日本会議を開催。大阪府都市開発株式会社(OTK)株式売却の議案の採決が行われました。
府議会本会議で否決
記名投票で行われた採決は、賛成51(維新の会、みんな)、反対53(公明党、自民党、民主党、共産党、諸派、維新の会からの反対者4人)で否決されました。
16日午前中に開催された府議会都市住宅常任委員会でも、同議案について賛成少数で否決されました。
午後に開催された府議会本会議では、各会派から各議案に対する態度表明が行われました。「5年間の株式譲渡禁止は定められているものの、公共性の確保が疑問」「優先交渉権者の情報が事前に漏れるなど、本当に公正な選考ができたのか。価格点70%、提案点30%という構成も疑問」「外資系投資ファンドは、短期的利益の追求を行うと理解している。鉄道事業を任せることに不安を覚える」など、各会派から反対の表明が行われました。
一方、維新の会は、「株式は府民の資産であり、一番の高値で売却すべき。苦渋の決断だが、優先交渉権者に対し、更なる運賃値下げなど働きかけを行っていただきたい」として、議案に賛意を示しました。
疑問・懸念相次ぐ
当該議案については、大阪府が優先交渉権者を投資ファンドのローンスタージャパンであると発表した11月26日以降、堺市議会が白紙撤回(12月4日)、和泉市議会も運賃値下げなど地元要望を実現するよう求める決議(11日)を可決していました。
また、既報のとおり沿線三大学から要望書が出され、関西財界からも疑問の声が挙がっていました。
堺市自治連合協議会や南区自治連合協議会からも10日に、「運賃値下げ」要望が府知事と府議会に出されていました。
署名3千筆・緊急集会
住みよい堺市をつくる会南区地域連絡会も11月29日に、「投資ファンドへの売却白紙撤回」「沿線住民への説明会」を求める知事あて緊急要請書を提出し、緊急署名に取り組んできました。この署名は、昨日の本会議前までに、3001筆が提出され、なお集まっています。
同会が12月15日に開催した緊急集会では中山徹奈良女子大学教授が講演。会場は超満員でした。
中山氏は、OTKの成立経緯から泉北高速鉄道問題に触れ、「泉北高速鉄道の財産は、泉北ニュータウン地元住民、泉北高速の事業により、ほとんどの資産が形成された。この経緯からすれば、大阪府から多額の税金が投入されたかのように言うのはあたらない」と指摘しました。
参加者からは、運賃値下げは、40年前からの悲願であること、公共性の高い鉄道事業運営を投資ファンドに売り渡すことへの大きな疑問等が口々に語られ、「否決に向けて時間は限られているが、最大限がんばろう」と意思統一がされました。
報道によると、議案否決により、OTKの売却は今後ゼロからのやり直しになるため、売却するか否かについても白紙に戻るということです。