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堺市人事委員会勧告(10月18日)

月例給引上げは当然。給与構造改革に伴う諸課題の解決を

人事委員会への連名要請書1385筆が積み上げた一定の到達点

(10月21日付)

 堺市人事委員会が、10月18日、勧告を行ったことについて、堺市職労は以下の見解を発表しました。

勧告の概要

 堺市人事委員会は、10月18日、市長と市議会議長に対して、

①月例給については、職員給与が民間給与を1,561円(0・39%)下回っていることから、この較差を解消するため、現給保障の廃止の趣旨を考慮しつつ、職務・職責にも配慮し引上げ改定

②期末・勤勉手当(ボーナス)については、民間の支給割合(3・97月分)とおおむね均衡しており、改定なし(現行3・95月分)との勧告を行いました。

 なお、本年4月から平均3・2%の賃金カット(2年間)が実施されていますが、人事委員会は、減額前及び減額後、双方の較差を算出のうえ、勧告の前提となる公民比較については、職員に本来支給されるべき減額前の給与額に基づき実施した、としました。

 また、人事委員会が「民間の給与実態をより広く把握するため」として実施した、賃金構造基本調査に基づく民間給与調査と、正社員30人以上50人未満の事業所を対象に行った民間事業所の給与等に関する特別アンケート調査については、「精緻な分析や同種・同等の者同士の給与を比較するという観点から公民比較を行うには支障があり、直ちに活用することは困難」とし、特別アンケート調査については「他都市等の状況を注視しながら、本アンケート調査実施の有用性も含め、検討」するとしています。

 その他、私たちが要求してきた「他の政令指定都市の状況等も勘案した公民比較における対応関係の見直し」については、部次長級の廃止に伴い、一定の見直しが行われました。

引上げ勧告は当然

 勧告は、月例給引上げ・一時金据置きとなりました。

 月例給引上げの主な理由として人事委員会は「現給保障の廃止」による経過措置額の見直しの影響(今年度は職員一人当たり1,500円)を挙げていますが、当然の結果です。

 そもそも現給保障が必要になった背景には、構造改革給料表導入による昇給ラインの抑制や給料表分断(平成18年度~)があることから、この間、労使の共通認識として、「給与構造改革に伴う諸課題を解消する措置」を早急に実施することを確認してきました。

 しかし、人事委員会は、これら諸課題解決には触れず、平成23年に現給保障廃止を勧告しました。諸課題の矛盾は現給保障廃止、賃金カットの実施により一層拡大しており、これ以上放置することは許されません。にもかかわらず、今回の勧告でも諸課題解決について触れておらず、きわめて不十分です。

 また、堺市当局が賃金カットを行う中、他市の人事委員会と同様、削減前の額で比較したことは、労働基本権一部制約の代償措置としての役割を果たしたとは言えません。

全ての職員の生活改善と公務サービス向上を

 堺市職労は、人事委員会に対する連名要請書を1385筆提出し、公務の「公平性、中立性、安定性」を確保し、公務サービスの向上、地域経済の活性化を図ることを求めてきました。職場からの要請の積上げのもと、政令市で唯一の引上げ勧告とはいえ、前述のとおり不十分な点があります。

 私たちは、人事委員会が代償措置としての役割を果たすことを引き続き求めるとともに、堺市当局に対しても、切実な生活実態に基づき、堺市に働くすべての職員の生活改善、住民の命と暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。