堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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非常勤職員に諸手当を

野党6党が地方自治法改正案提出

(6月10日付)

 12年7月31日付の本紙にて、「地方自治体の非常勤職員の一時金などの諸手当を各自治体の判断によって支給できるようにする」地方自治法改正案について報じましたが(結果的に提案には盛り込まれず)、5月28日、民主党みんなの党・生活の党・共産党みどりの党社民党の6野党が、同改正案を共同で参議院に提出しました。

 現在、全国の地方自治体で働く非常勤職員は約60万人。その身分関係は雇用関係ではなく、地方公務員としての任用行為とされ、パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)で定められている、通常の労働者との均等待遇規定が適用されません。一方、地方自治法第204条第2項では、常勤職員と短時間勤務職員には給与・旅費の他に条例で各種手当を支給することができる、とされていますが、非常勤職員については勤務形態が常勤職員や短時間勤務職員と同一で同じ仕事をしていても、報酬と費用弁償支給の規定しかありません。

 今回の改正案では、地方自治体が条例で、勤務形態が常勤職員または短時間勤務職員に準じる非常勤職員に対して、常勤職員または短時間勤務職員に支給する手当との権衡を考慮した手当を支給することができる、と明記されており、可決・成立すれば、条例で定めることで、非常勤職員に一時金や退職金などの諸手当を支給することができるようになります。

 4月から施行している改正労働契約法では、公務は除外となっていますが、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより、不合理な労働条件の相違を設けることを禁止する(第20条)、と規定されています。今回、提出された改正案は、地方自治体においてもこうした改正労働契約法の趣旨を踏まえながら、常勤職員と非常勤職員との間で、諸手当の支給に差異をつけることのないように法的に整備していくことを目的としています。

 提出者らは提出後の記者会見で、「公共サービスが拡大する中で非正規職員が増大し続けているが、その待遇は法律の谷間に置かれている非常に厳しい状況にある」「保育士の半分が非正規という自治体もあるが、皆、保育士の資格を持ち、担任も持っているのに、賃金・待遇で差別されている。やはり正規化が必要であるが、まず、手当を出せるようにしようというもの。成立すれば、各自治体で条例を制定できるようになるので、成立のために努力したい」「与党にも是非、賛同いただきたい」など、思いを述べました。

 こうした動きも受け、自治労連は5月29日、「自治体に働く臨時・非常勤職員の雇用や待遇の抜本改善を求める署名」6万3千人分を国会に提出しました。今国会は、7月の参議院選挙の関係もあり、政府与党は6月26日まで会期の延長は行わないとしており、同改正案の成立は不透明ではありますが、自治体に働く臨時・非常勤職員の願いに応えられるような審議を期待するものです。