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府議会「政治活動規制条例」「労使関係条例」の「継続審査」を受け、大阪自治労連書記長が談話

憲法地方公務員法に反する2条例の撤回まで

更なる運動の強化を

(3月26日付)

 去る3月22日、大阪府議会で、「職員の政治的行為の制限に関する条例(案)」「労使関係に関する条例(案)」など3条例案が継続審査となりました。これを受け、大阪自治労連の荒田書記長が談話を発表しました。

(1)3月22日閉会した大阪府議会で「政治活動規制条例」「労使関係条例」等の3条例が昨年12月に続いて継続審査となりました。これらの条例については維新の会幹事長である松井一郎知事でさえ「大阪府の職員は政治的中立性を揺るがす顕著な事例はない」としてその制定の必要性を否定しているものです。それを、過半数を占める維新の会府議団が提案し、今議会でも大きな争点となっていたものです。

 大阪市議会では、総選挙の駆け引きで公明党を抱き込んで条例を制定しましたが、さすがに府議会では「公明党も『職員にかかわる条例は知事が提案すべき』だと主張して維新の会のさそいに応じず、採決を見送ることになった」(3月23日 朝日新聞)ものと伝えられています。

(2)2度にわたり継続審査として可決されなかった背景には、第1に昨年12月7日の最高裁での堀越明男さん無罪判決があります。この事件は、2003年11月に政党のビラ配布が国家公務員法102条等に違反するとして逮捕・起訴され、地裁で有罪、高裁で逆転無罪の判決を受け、改めて最高裁が高裁判決を支持したもので、公務員の政治活動の自由を認めた画期的な判決でした。

 大阪府大阪市での職員の政治活動を規制する条例は、先進国には見当たらず「国際標準」から大きく遅れており、憲法に基づく「思想信条の自由、表現の自由という基本的人権の核心に強く配慮した判決」(12月8日「毎日」社説)として高く評価される堀越判決から大きく逸脱するものであり、府議会の審議の過程でも指摘され、維新の会といえども無視できないものです。

 第2に、先に制定された大阪市において“異常な事態”が進行し、単に職員だけの問題ではなく住民全体に係わることであることが明らかになりました。市職員の間で「(処分が怖くて)私学助成の署名さえもできない」との声があがったり、住吉市民病院の廃止反対運動の中で病院当局が条例を口実に市民と会わないなどがあり、2条例の問題点が具体的に明らかになりました。

 第3に、こうした2条例の危険性を単に自治体職員の問題として捉えるのではなく、弁護士や新婦人、大阪労連傘下の民間労組など多くの方々との共同と支援で府庁前宣伝などに機敏にとりくみ世論としたことです。

(3)大阪自治労連としては、制定させなかったものの「継続審査」として火種は残っており廃案にするまで油断なくたたかっていきます。同時に、大阪市議会での地下鉄・バスの民営化の条例の取扱いが注目されており、広範な住民の皆さんや大阪労連の仲間とこのとりくみを強化していく決意です。