民主・自民・公明などが賛成
(11月20日付)
今臨時国会に提出されていた国家公務員退職手当削減法案は、11月16日、衆・参での委員会質疑・本会議採決をわずか1日で強行するという異常な国会運営のもと、民主党・自民党・公明党などの賛成多数で成立しました(共産党・社民党は反対。みんなの党は「もっと削減を」と主張し反対)。
この法案は、人事院調査による官民較差402.6万円を解消するとして、支給率の大幅な引き下げを行うものです。さらに政府は、閣議決定で、地方に対しても国に準じた引き下げを要請しています。
退職手当は、1999年以降の大幅賃金引き下げのもとで、退職後の重要な生活資金となっており、前例のない大幅引き下げは、「得られたはず」の財産権の侵害ともいえる重大な問題です。また、青年層も含め、将来不安をさらに大きくし、働きがいや仕事への意欲を失わせるものです。
同時に、国家公務員の退職手当大幅引き下げは、地方公務員にもただちに影響し、それが、ここ数年、大きく引き下げられてきた民間労働者の退職金をさらに押し下げることにもつながります。
これは、大企業・財界がねらってきた日本の労働者全体の生涯賃金引き下げを進めるものであり、個人消費の落ち込みによって、地域経済にも否定的な影響を与えるものです。
一方、国会解散により、公務員の協約締結権回復などを内容とする国家公務員制度改革関連法案は廃案となり、民主党の党利党略で15日に提出された地方公務員制度改革関連法案も廃案となりました。
「公務員の退職金を削減した」ことを、消費税増税を国民に押し付けるための「身を切る」象徴にして、総選挙に向けての「成果」にする意図は明白であり、こうした党利党略による暴挙は許すことはできません。