当局提案に道理なし、提案理由明確に示されず
(10月24日付)
昨夜、「職員の給与減額措置に関する協議の申入れ」について、当局が趣旨説明を行うとした第1回交渉を開催。当局は総務局長を責任者に3任命権者が、組合は約50名の交渉団が出席しました。
当局は、提案理由の一つとして、国家公務員が平成24年4月から実施している平均7・8%の給与カットで「本市のラスパイレス指数が昨年の98・2から大幅に上昇する見込み」としました。これに対し組合からは、①国の給与カットも踏まえた上で堺市人事委員会は勧告されており、その勧告にない給与削減は労働基本権制約の代償である人事委員会制度の趣旨からも認められない、②国以下だった賃金水準の改善要求をずっと放置してきた一方で、国を超えることを理由に削減することは、到底理解できるものでないことなどを追及。
当局は「堺市人勧を尊重する立場であることに変わりはないが、今回は国の削減を踏まえ、勧告を離れた申し入れをしている」と繰り返しました。組合は「当局は賃下げのために、都合のいい理由にばかり飛び付いているように見え残念。まったく職員の努力に報いるものではない」「府下の自治体や他の政令市でも国の削減に追随し実施した例はない。堺市だけが国の削減に追随しようとしており、この影響は非常に大きい」と当局提案の道理のなさを重ねて追及しました。
また、やりとりの中で当局は、地方公務員法第24条(生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮)を提案の根拠に挙げましたが、その一方で「提案の一番の理由は国との整合性」と述べ、同条に記載されている生活費や民間、他都市の状況を踏まえておらず、法的根拠が口実でしかないことが浮き彫りになりました。
当局は提案理由の二つ目として「景気の急速な回復は期待できず、本市の財政運営について厳しい状況が続く中、市民サービスの水準を低下させることなく安定的に提供し続けなければならない」としました。
これに対して組合は、07年一時金5%カットの終了時に「今後、こうした事態を招かないように努力したい」と回答があったにも関わらず、わずか5年で財政運営を理由として賃金カット提案がされていること、平成23年度決算で「実質収支32年連続黒字」「全会計黒字」としていることとの矛盾、実質公債費比率・将来負担比率などの健全化指数が他の政令市と比べ良好な水準にあること、過去の賃下げや要員管理方針などにより人件費は限界まで切り詰められていることなどを追及し、提案理由から財政問題を削除するべきと主張しました。
交渉の中で当局から、今回の提案は任期付短時間勤務職員と一般非常勤職員は給与減額の対象外であることの言明がありました。
最後に山道副委員長から「交渉はやぶさかではないが、今日の交渉で、当局から提案に足る説明がなされたとは思えない。組合として到底認められるものではない」と表明し、第1回交渉を区切りました。