“強制はしない”“注意喚起”を確認~職場の自律性の尊重を
(10月10日・11日付)
10月5日、当局は「職員の身だしなみについて(通知)」と題する文書を通知しました。
通知では、堺市役所で勤務するすべての職員を対象に、「市民の皆さまからの信頼の確保と接遇の向上のため、職員の一人ひとりが身だしなみに気を配ることが必要」であり、「社会人として、堺市職員として職場で勤務するのにふさわしい身だしなみ」の基準を定めているとしています。
通知の概要
基本的な身だしなみ(一例)として、服装、履物、髪・ひげ、爪・化粧・アクセサリー等といった区分を設けて例示を記載しています。
また、不可とする身だしなみ(一例)として、同じ区分を設けて例示し、女性の服装については形、素材などがより多様なためとして、イラストによる図示も行なっています。
戸惑いの声も
職場では「女子のことばっかりやん」「普通に着てる服やのにあかんようになるん?」「これ全部守ったらどんな格好で行ったらいいのでしょう」「それやったら事務服を配るべき」「あまりにも主観的。だれが判断するの」といった声が出ています。
また、「服装を整えることによって、その人の印象がよくなる、と促すように書いたらいいのに、あかんあかんばっかり書いている。書き方がちょっとなあ」「これが総務局長名で通知されることで、逆に堺市役所に対する誤解を生じてしまうのではないか」という意見もあります。
義務付けではない
執行部としては、当局に対し、「信頼確保と接遇向上のため、身だしなみに気を配る」という趣旨は理解できるが、これまで服装に問題があれば、職場で個別に指導がされてきた。それを一方的に通知することで、職場が息苦しくなるのではないかと指摘。
また、どのような服装で仕事をするのかは勤務労働条件にあたるとして労使協議を行うよう求めましたが、当局は「この通知はあるべき服装を義務付けるものではなく、不可とする身だしなみについて一般的かつ地方公務員として求められる基準を示すもの。勤務労働条件にはあたらない」としています。
執行部からは重ねて「勤務労働条件でないというなら、一般的な注意喚起であり、違反者に対し処分を課すものではないな」と確認し、当局は「これだけでもって処分ということは想定していない」と述べています。
主なやり取り
組)服装は、基本的に個性が尊重されるべき。
当)通勤の服装は自由。ただし、職場ではふさわしい服で仕事をしてほしいということ。
組)それならば事務服(男子は廃止、女子は凍結中)を貸与したり、標準服を示すべき。
当)不可とする身だしなみ以外の服装をしていただいたらいい。事務服貸与や標準服を示すことは考えていない。
組)着替えが必要なら、ロッカー割当てが必要
当)スペースが足りないことから2人で1つのロッカーを使う等の対応をしている部署もあるが、困ったことがあるとは聞いていない。組合に声が届いているなら、対応したいので個別に教えてほしい。
組)そもそも、市民としてどういう方を想定しているのか。
当)老若男女を問わない全市民。
組)ご指摘の件数はどれほどあるのか。
当)来庁者からのご指摘が多く、件数は把握していない。
不可とする身だしなみについて
組)不可とされる服の上に、カーディガンを羽織る場合はどうか。
当)不可とされる服が隠れていれば分からないので良いと考える。
組)「ミニスカート(座ったとき膝上5㎝以上の短さとなるもの)」「ヒールの高さが5㎝程度より高い履物」について、5㎝としている理由。
当)一般的、常識的に認知されているひとつの目安として示した。具体的に計測することは想定していない。
当)「強すぎる香水」とは、どのようににおいを判定するのか。所属長か。
当)におい判定は想定していない。
組)「厚化粧」という表現はセクハラや悪口にあたらないのか。
当)あたらない。
組)レギンス、マスカラ、チークは禁止されるのか。
当)派手な色・柄のレギンスや極端にボリュームのあるマスカラ、色の濃いチークを不可としている。
組)マキシ丈(くるぶしまで長さのある)スカートが禁止されているのはなぜか。
当)ふんわりした素材がファッショナブル過ぎるため。
執行部としては、たとえ注意喚起にとどまるとしても、こうした基準を内外に示すことによって、これまでの職場の自律的なマナー形成の努力をないがしろにし、かえって職員のやる気をそぐ結果につながらないかを懸念します。
組合員・職員のみなさんの困っていること、意見などをお待ちしています。