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2012年の堺市職員の給与等に関する報告及び勧告に対する見解

堺市職労は、堺市人事委員会が9月26日に行った勧告に対し、次の見解を発表しました。

(9月28日付)

2012年の堺市職員の給与等に関する報告及び勧告に対する見解

 堺市人事委員会は9月26日、市長と市議会議長に対して、①月例給については、職員給与が民間給与を223円(0.06%)下回っているが、較差がわずかであることから、改定なし、②期末・勤勉手当(ボーナス)は、民間の支給割合(民間3.94月分)とおおむね均衡し、改定なし、③持家に係る住居手当(新築・購入から5年間、月2500円)については、他都市の支給状況を踏まえ、廃止(2013年4月1日実施)、との勧告を行いました。

 なお、今年の人事院勧告において、50歳代後半層の給与水準抑制のための措置として出された昇給・昇格制度の見直し(改悪)については、「本市においては、本年4月から現給保障の段階的廃止を実施したところであることから、今後、そのことによる職員給与への影響や、国・他都市の状況を注視し、昇給・昇格制度の在り方について検討を行っていく必要がある」として、本勧告においては見直しには言及しませんでした。

 また、人事委員会が「より幅広い民間の給与実態を把握するため」として実施した、賃金構造基本調査に基づく民間給与調査、正社員30人以上50人未満の事業所を対象に行った民間事業所の給与等に関する特別アンケート調査については、「直ちに市職員の給与水準を決定する手法として活用することは困難」「市職員給与と比較対象を行うには制約があり、直ちに活用することは困難」としています。

 今年の勧告では、月例給・一時金ともに据え置きとなりました。しかし、堺市職員のラスパイレス指数が全国の政令市で19位という実態や、昨年の人事委員会勧告で給与構造改革の実施に伴う経過措置額(現給保障)の廃止が勧告され、本年4月から月額最高1万円もの賃下げが実施されている実態等をみれば、私たちが要求してきた「他の政令指定都市の状況等も勘案した公民比較における対応関係の見直し」や「構造改革給料表導入に伴う諸課題を解消する措置」の実施が求められていました。

さらに人事委員会は、「他の政令指定都市では廃止する傾向」「大阪府内の他都市はほとんどの団体が廃止又は廃止が決定している」として、2009年の人事院勧告で廃止されて以降も支給されてきた持家に係る住居手当について廃止を勧告しました。しかし、「廃止の傾向」と言うものの廃止となっている政令市は5市のみです。大阪府下の自治体では国や大阪府の廃止の影響で多くの市で廃止とはなっていますが、一方で、職員全体の給与水準に影響をあたえる初任給は、現在も堺市は府下最下位水準のままです。人事委員会が府下自治体の状況を理由にするのであれば、初任給水準の改善についても直ちに勧告すべきです。

 今年の勧告は、公務の「公平性、中立性、安定性」を確保し、住民の安全・安心をはじめとする公務サービスの向上、地域経済の活性化を図ることを求めた私たちの要求からすれば極めて不十分な勧告と言わざるをえません。

 堺市職労は、人事委員会が労働基本権制約の代償措置としての役割を果たすことを求めるとともに、堺市当局に対しても堺市に働くすべての職員の生活改善、住民の命と暮らしを守る自治体運営を求めて全力でたたかいます。

2012年9月26日

堺市職員労働組合