堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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シャープに関わる報道を巡って~巨額の税金投入に改めて疑問も

9日には「学習と交流のつどい」を開催

(9月6日付)

 「世界最大の先端工場」・「経済波及効果、10年間で11兆円」などと肝入りで進出したシャープ堺工場を巡っての報道が、連日マスコミを賑わせています。当初から巨額の税金を投入しての企業誘致に対しては、様々な危惧がされていましたが、わずか3年も経たずに現実問題となっています。

 液晶産業の世界的な競争で、シャープ堺工場の稼働率は3割にまで低下していると言われるなか、台湾企業の鴻海(ホンハイ)精密工業が巨額の出資を行うと発表。筆頭株主になるとも報道されています。また、シャープは堺工場を連結子会社からはずし、「シャープデイスプレイプロダクト」から「堺デイスプレイプロダクト」に社名も変更する事態となっています。

 そもそも、巨額の税金を投入しての企業誘致に対しては、市民の暮らしを守るべき自治体本来の責任を投げ捨てるものと指摘してきました。しかも今回、外資系企業・台湾企業が筆頭株主となり、実質的に工場が譲渡されてしまうとするならば、大切な税金をいつまでも投入し続けることに対し更に大きな疑問がわき上がります。

 またシャープ堺工場誘致に関わっては、巨額の補助金・減税だけでなく、税金丸抱えでの道路などのインフラ整備や特別の手続き緩和など様々な便宜を与えてきたことは周知の事実で、これには市民の批判も出ていました。

工場撤退・譲渡相次ぐなか、企業立地補助金を返還するケースも

 企業誘致を名目に、自治体が支出した立地補助金の一部を大企業が返還するケースが全国で増えています。電機大手などが赤字を口実に工場再編をすすめ、工場立地からわずか5~6年という短期間での生産縮小・撤退が相次いでいるからです。 液晶テレビのパネルを製造するパナソニック茂原工場(千葉県)は06年5月に操業を開始。しかし、テレビの売れ行き不振で撤退が決まり、今年3月に工場は閉鎖され、別会社に譲渡されました。千葉県は、この工場誘致のために、「地元経済の振興」や「雇用確保」の名目で補助金を支出していました。しかし、パナソニックが工場を別会社に譲渡することを受け、企業立地補助金のうち3億4千万円の返還を請求。パナソニックもこれに応じて補助金を返還しました。 兵庫県尼崎工場でも、パナソニックが2工場を閉鎖したことから、同様に立地補助金のうち12億5700万円を返還。県は、条例の規定を変更し、立地企業に最低10年間の工場稼働を求めることにしています。

 シャープ亀山工場(三重県)でも、第1工場の生産設備を中国企業に売却したため、同様に立地補助金のうち6億4千万円の返還させました。

 堺における今回の問題での、府・市の対応が注目されます。

「シャープへの公金支出と自治体のあり方を問う学習と交流のつどい」

【日時】9月9日(日)13時30分~16時

【場所】サンスクエア堺第1会議室

【内容】学習「シャープ住民訴訟自治体の役割」(立命館大学・森裕之教授)他

【主催】シャープ立地への公金の支出をただす会