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大阪維新の会 大阪市議団「家庭教育支援条例案」批判続出により白紙撤回に

5月10日付け

大阪維新の会大阪市議団が議会に提出を検討していた「家庭教育支援条例案」。

 児童虐待の背景に「親心の喪失と親の保護能力の衰退という根本原因がある」、「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」と、特異な子育て思想を押し付ける条例案に対して、発達障害がある子どもの保護者でつくる市民団体や市民からの猛反発が起こり、大阪維新の会大阪市議団は、7日、同条例案を白紙撤回しました。

【家庭教育支援条例案その全容】

 条例案は前文で、「児童虐待の背景」にある根本的問題として、「親心の喪失」を強調。改悪教育基本法の「家庭教育の独立規定」を根拠規定とし、目的(第1条)では、「保育、家庭教育の観点から、発達障害、虐待等の予防・防止に向けた施策を定める」などとしています。

 具体的には、「発達障害、虐待等の予防・防止」(第4章)で、「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因である」(第15条)などと主張。「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」(第18条)などとしています。

 また、「家庭教育支援」と称して、特定の思想に基づく「親の学び」を押し付けていることが特徴で、保護者対象の「家庭用道徳副読本」を高校生以下の子どものいる全家庭に配布するほか、「一日保育士体験、一日幼稚園教諭体験」を義務化。市長直轄の「家庭教育推進本部」を設置し、「家庭教育推進計画」を策定することなどを盛り込んでいます。

 「支援体制の整備」(第5章)では、「親になるための学びを支援、指導する『親学アドバイザー』など、民間有資格者等の育成を支援」と記しています。

【市民団体や市民から相次ぐ批判】

 条例案に対して、すぐさま、広範な層から批判が続出し、7日には、保護者でつくる13団体が「偏見を助長する」と、大阪維新の会大阪市議団に対して、提案の見送りを求める声明文を提出し、大阪維新の会大阪市議団の美延映夫幹事長は、条例案撤回を約束しました。

 声明文を提出した「発言する保護者ネット・フロム大阪」の代表は、「声明文で『伝統的子育て法』の強制や『親心』、『結婚の意義』などを政治家や行政機関が決めた通りに教育する動きに強く危惧すると訴えました。白紙撤回しても教育を上から押し付ける同じ動きが出てきます。障害者団体と連携して、今後も注意して見ていきたい」と語りました。

【露わになる大阪維新の会の独裁思想】

 今回の家庭教育支援条例案に限らず、職員基本条例案や教育基本条例案、違法なアンケート調査、大阪都構想、市民施策削減試案など、橋下大阪市長大阪維新の会は、選挙の信任によりあたかも「白紙委任」を得たかのように、独裁・恐怖政治を強めてきました。

 今回の家庭教育支援条例案は、一つの例にしか過ぎず、一連の政策は、橋下大阪市長大阪維新の会の攻撃の矛先が、市民に向いたのか、公務員に向いたのか、労働組合に向いたのかの違いだけで、根底は同じです。

 堺市職労も、堺市の未来と大阪都構想を考えるシンポジウム開催や二条例案反対署名などに取り組んできました。今後も引き続き取り組みをすすめます。