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WTC住民訴訟を考える

注目されるWTCビルへの強行移転の審理(3月26日、27日付け)

 橋下知事(当時)が強引に推し進めたWTCビル(咲州庁舎)への移転について、「WTCビル購入費用96億円を返して!」と、府庁舎強行移転のムダ使い問題を告発する住民訴訟が3月15日にスタートしました。

 大阪地裁大法廷で開かれた第1回公判では、原告席、傍聴席ともあふれる150名の方々の熱気に包まれました。

 原告団を代表して大阪市民ネット代表の藤永のぶ代さんとジャーナリストの西谷文和さんが陳述されました。

府議会の意思も、専門家の意見も無視してなぜ?~

 藤永さんは、「なぜ、こんな危険極まりないWTCビルを買ったのか?そんなところになぜ府庁舎を強引に移転させたのか?府議会の意思を無視してなぜ強行したのか?」「こんな支出は違法だと判断して欲しい」と陳述。

 西谷さんは、「長周期地震動による影響は、当初から専門家が指摘していたことだ。それを無視して押し進めた橋下知事の責任は重大だ」「3・11大地震で明らかになったが、これではWTCビル・咲州庁舎は、災害時には災害対策本部になるどころか、救助される対象になってしまう」「96億円を直ちに返して欲しい」と訴えました。

 いよいよ、橋下徹氏の強引な府庁舎移転を質す住民訴訟のはじまりです。

(WTC購入の経過 関連記事→http://unionsakai.seesaa.net/article/255792831.html

~橋下前知事が移転を強行~

 府議会で移転条例案が否決された後、ある府会議員は「結論を急がず、特別委員会で議論してはどうか」と提案していました。しかし、橋下前知事は「取りつかれたように」移転を急ぎ、ビル購入予算が成立したことを口実に、移転を強行したのです。

~強引な府政運営が、 問題を引き起こす~

 つまり、「すぐに白黒をつけたがる橋下徹氏」「敵を作り(この場合は移転に反対した府会議員)、叩いて自分の人気を上げる」という、強引な府政運営がなければ、こんな無駄な税金の浪費はしなくて済んだのです。

 今、大阪府知事大阪市長のW選挙結果で勝利したことを受け、「オレが民意」であるとして、何をやっても許されるかのような雰囲気がつくられてきていますが、一つ一つ精査し、住民議論を十分してすすめることが重要なのではないでしょうか。あくまでも、主権者は国民・市民であることを忘れてはなりません。

 あのナベツネ渡辺恒雄氏(読売グループ会長)が、橋下市長が選挙結果について「ある種の白紙委任」と発言したことについて、「私が想起するのはアドルフ・ヒトラーヒトラーは首相となった途端『全権委任法』を成立させ、これがファシズムの元凶になった」(文芸春秋4月号)と指摘しています。

 「独断専行」のやり方が様々な問題を引き起こしているとするならば、このWTCビル購入&強行移転問題を巡る住民訴訟の行方は、今後注目されます。