堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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フォーラム「堺市の未来と『大阪都構想』」開催

民主主義や政策のあり方など議論 堺市を守り発展させる一点での共同を(3月23日付け)

 堺市の未来と『大阪都構想』「堺市の民意は…」と題し、18日、同実行委員会の主催でフォーラムを開催。会場あふれる参加のなか、3人のゲストからそれぞれの立場で発言をうけ、堺市を守り発展させる一点でのつながり広げていくことを確認しました。

 高橋保前副市長は、橋下大阪市長について、任期途中でW選挙を仕掛け、当選した当日に、市長としての今後の取組みはそっちのけで国政に進出したいと述べたことや、維新八策の「決定でき責任を負う民主主義」(自分に従わない者は有権者の意に反するのだから去れという独断専横)と本来の民主主義(多様な意見の中から取り入れられるものは取り入れ粘り強く整合を図ること)との根本的な違い、「強き者のために弱き者は道をあけろ」という適者生存、優勝劣敗の経済・雇用政策などを指摘。しかし、こうしたずさんで挑発的な橋下氏がなぜ支持されるかと話を展開。これまでの社会システムが有効に機能しなくなっている間隙をつき、非正規労働者など社会から押し出された人たちと、これまでの社会システムを作り上げ、「既得権者」と批判される人たちとの間を分断し、組織外にいる人たちの心をかっさらっていったのではないかと指摘。橋下氏に取り込まれた人たちともう一度同じ場所で再会するために、組織を超えた共同、そして否定(グレートリセット)の否定によって高次の肯定へ至る道筋が広がるのではないかと述べました。

 最後に、堺市で勤務した経験から、「利害が一致しない問題を、力ずくではなく、徹底して話し合い過程を大事にすること。結果は大事であるが、決定できる民主主義はその過程をすっ飛ばす。どんなに困難であってもこの手順を積み上げていくことが、民主主義であり未来をつくっていく」と語り、国を破壊するちゃぶ台返しに待ったを掛け、堺を守ろうという多くの人たちと同じ場に立てている幸せと感謝を述べ、話を結びました。

 立命館大の森裕之教授は、都構想のポイントについて解説。橋下氏が知事に就任した直後に出した「大阪発“地方分権改革”ビジョン」(09年3月)が全ての始まりで、このシナリオ通り進んでいると指摘。都構想の核心が、「二重投資の無駄」「区制改革を通じた住民参加」であることなどに言及した上で、「政策は、問題を解決できることが合理的に説明され、初めて実行に移されるもの。深刻な事案があれば、その時々に考え、修正を加え、合理的にすすめていかなければいけない。批判に対し“対案を出せ。出せないならモノを言うな”で進んでは、合理的な政策はできない」と批判しました。最後に、「都構想で何をどう言おうと堺市はバラバラになってなくなる。お金も権限もとられる。そう願わない方は反対することに尽きると思う」とまとめました。

 「橋下改革」の渦中で奮闘する、大阪市労働組合総連合の中山直和書記長は、「大阪市役所の職員と現役世代の国民をタックス・イーターとして並列しているところに、自治体の労働組合を叩きつぶした後、市民生活が叩きつぶされることが端的に表われている」と切り出しました。

 そして、自治労連で取り組んだアンケート結果や府市統合本部で検討されている大型開発事業、区制改革の名ですすむ市民サービス切り捨ての権限付与の実態などを詳しく挙げ、「住民の願いと大阪都構想は根本的に矛盾するし、今後表われてくる」と強調されました。

 フロアから2名の方が発言。それらを受け、実行委員会事務局から、都構想から堺市を守り発展させる一点で、市民的なつながりや共同を広げる「自由と自治・堺の会」(仮称)のような幅広い会を募らせてもらいたいと呼びかけ、参加者が大きな拍手でこたえました。