堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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憲法に保障された団結権を侵害する支部組合スペース取り消しについて(見解)

大阪市役所労働組合が見解を発表(1月30日)~2月9日付け~

 橋下大阪市長は年頭のあいさつで連合労組の「選挙活動」を理由に「組合適正化条例」の検討を表明し、マスコミによる先行報道で本庁舎内の6組合事務所の撤去が盛んに伝えられています。1月30日に発表されました大阪市役所労働組合(以下「市労組」)の見解をここに掲載します。

 橋下市長は昨年12月28日市議会開会日の所信表明演説で「市職員が民意を語ることは許さない」とし、さらに連合労組にとどまらず「大阪市役所のこの組合の体質というものが、今の全国の公務員の組合の体質の象徴」「公務員の組合が国を破綻させる」「日本全国の公務員の組合を改めなければ日本の再生の道はない」と発言しました。これは、閉塞状態に陥っている日本社会の責任をすりかえ、自治体職員と住民の対立を煽り、自治体労働運動の圧殺と民主主義と地方自治の健全な発展に重大な危険性をはらんでいます。

 今回1月18日付で市労組委員長宛てに通告された支部組合スペースの便宜供与取り消し行為は、こうした一連の市長発言の流れに沿ったもので、組合通告よりも1月16日付の毎日新聞報道が先行し、すでに既成事実を押し付ける形で行われたものです。

 取り消し理由は、昨年11月の市長選挙において、交通局の組合役員(連合系単組)が勤務時間内に認められない組合活動を行ってきたこと、また、当局の口頭説明では「労働組合が人事に介入してきた」と言う内容の職員メールが橋下市長に届けられてきたことなどがあげられています。仮に「交通局組合員の時間内選挙活動」と「労働組合が人事に介入している」という事実があれば、当局として毅然と対処し排除すれば良いことであり、そのことを理由に労働組合支部への最小限の便宜供与を取り消す理由にはならないと考えます。

 さらに、当局は「便宜は労働組合の認められた権利ではない」「あくまで職制が下すべきこと」「労使関係の適正化をはかるためにリセットする」「(連合・全労連とも)オール大阪市で適用」として、労働組合との協議に一切応じようとしない、乱暴でかつ強圧的な対応をとっています。平成17年10月に当時の「ながら条例(職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例)」を労使協議のなかで見直し「職員団体及び労働組合との交渉等に関するガイドライン」として整理し、各所属と各支部が1年毎の確認書を交わすことで市民サービスに支障のない庁舎内の場所に保管ロッカー等の設置は行われてきたものです。こうした経過を踏まえるならば、当局側の強引な通告は、労働組合との協議・交渉を拒否した不当労働行為と指摘せざるをえません。

 市労組の日常活動は、仕事を終えた後や休日、休暇などを活用しているものであり、地公法で認められた時間内労働組合活動でさえ年に数回行われる労働条件等の交渉しか認められていないのが現状です。従って、当局が理由にする取り消し理由には全く当てはまりません。さらに、労働組合への事務所供与については労組法でも認められたものであり、労働組合団結権の一つとして保障されたものです。そして、官民問わず労働組合事務所は無償提供が一般的であり、戦後の労働運動のなかで、確立してきたものです。

 市労組は、正規職員の賃金労働条件の改善はもとより非正規職員の雇い止撤回、公立保育所の民間委託化反対、高すぎる国民健康保険料の値上げ反対など、すでに破綻している無駄な大規模開発の継続を中止し、福祉、教育、医療などの充実を訴え、市民団体と共同することで市民要求実現のとりくみなどを進めてきました。 今後とも、非正規職員を含む全ての職員の要求実現と公契約条例制定や震災、災害に対する安心・安全の街づくり運動など住民との共同のとりくみをすすめるとともに、組合事務所の確保など憲法に基づく労働組合の権利を守るため法的手段も含め全力をあげて闘うことを表明します。

 堺市職労も憲法に保障された労働者(勤労者)の権利を守るため、市労組に連帯し、自治労連の仲間として、共に闘うことを表明します