4月20日付裏面
全国に例の無い労働条件の実例
当局は有給休暇の取得状況調査を定期的に実施しています。これは労働組合がやるような年休取得調査とは違います。大阪市の場合は年休の新しいサイクルが6月1日から始まりますが、1か月経った7月1日現在、何日休暇をとったかということを調べて、数が多かったら指導が入り、1か月に2日取った人も指導対象になります。これも労使交渉で大問題になっています。
病気休職のときの給与保障制度について、共済組合の傷病手当金を先に支給をするということになっているのは、全国で大阪市だけです。ところが総務省から指導が入り、今年の4月から元に戻ります。
大阪市のラスパイレス指数が政令指定都市で最下位です。これは最高号給の部分を7万ぐらい削った結果です。
大阪市はこの間、連続27年間黒字で、借金も11年間連続で減らしていますが、賃金カットは続いています。
労使関係に関する条例によって
「管理運営事項?」に関して、交渉で物言わなくなる当局
労使関係条例は、組合事務所問題に悪影響を与えました。交渉事項の第3条(6)「交渉の手続その他の労働組合等と本市の当局との間の労使関係に関する事項」と書かれています。
この条文を普通に読んだら、組合事務所を貸す、貸さないというのは、市と労働組合との間の団体的労使関係事項ということで、交渉して当たり前ですが管理運営事項といって譲らないのです。
便宜供与というのが12条にあります。「労働組合等の組合活動に関する便宜の供与は行わないものとする」となっています。当初は、「一定の期間」ということで幅がありましたが、それは「問題のある労働組合がある。問題がなくなれば、この条項は適応しない」という意味のことでした。 われわれ市労組、市労組連というのはどこか問題があるのか、と言いますと、「あなた方の組合は問題ありません」「そうしたらこの条文はうちの労組は関係ない」というやりとりをしましたら、逆にそこの部分を外して全面的に禁止ということに改悪しました。
組合事務所の「不許可」の最大の根拠にされた「便宜の供与は、行わない」
その結果が「組合事務所の貸与を行わない」ということにつながっていきました。当初は「政治活動するような労働組合は市役所から出ていけ」という、まさに不当労働行為であり、大阪高裁でも、最初の平成24年は「大阪市が悪い」ということで損害賠償で22万円払えという判決を出したのです。
しかし、この条例ができたあとの平成25年以降は、「この条例があるからやむをえない」ということになるなど、条例が非常に悪い役割を果たしました。
私たちは最高裁に行きましたが、残念ながら不当判決が出て、確定するということになり、断腸の思いで引っ越しをしました。みなさんにもいろんなご支援をいただきましたが、非常に残念です。
懲戒処分等
「任命権者は、この条例が適正に運用されるように努め、この条例に違反する行為があった場合は、公正かつ厳格に懲戒処分その他の必要な措置をとるものとする」ということで、 この条例に違反したら職員基本条例の懲戒処分と連動します。
管理運営事項については、組合と話してはならないと書かれてあり、当局が処分されます。 組合との話し合いは、当然いろんな話に展開をしていきますが、こちらが質問しても勤務労働条件かどうかの自信がないと、モノを言わなくなりますので交渉になりません。
大阪市の市民サービスの切り捨ての現状について
職員、労働組合を脅しつけてきた結果、どういうことが市民に対して起こっているのか。
橋下市長の平成24年から27年の4年間で709億円も市民向け事業を削っています。国民健康保険料のアップや敬老パスの利用者負担導入などです。
上下水道福祉措置という水道料金の減免が改悪され、保育所の夏のプールで使用する水道料金が、減免がなくなったために大きく上がり、経費節減でプールの回数を減らされています。
また、スポーツセンター等がどんどん減らされました。
松井知事は「大阪市と堺市の8年間の住民サービスを比べてどっちが拡充したか」ということを争点にすると言っていますから、おそらく、いっぱいデマをとばします。
ダブル選挙でも「教育予算が5倍、6倍に増えた」と言っていましたが、橋下市長の目玉政策として掲げていた予算項目が60億円ぐらいから300億円ぐらいに増えたので、そんなふうに公言するのですが、大阪市の教育予算は元々が3000億円台です。この間、幼稚園の無料化などを取り入れてちょっと増えていますが、5倍、6倍というのは数字のトリックですが、それをパネルやビラで宣伝をします。
その手法が堺でも使われることは間違いないと思います。
今、大阪市議会では、いろんな問題があります。地下鉄民営化が通ってしまう可能性があります。一方で、住吉市民病院の廃止条例は通っていますが、そのあと誘致されている病院がとにかくデタラメで、大阪市当局も嘘をついていたことが分かり大もめにもめ、予算が付かなくなりました。もう一度ひっくり返すという運動を住民ががんばっておられるなど、状況としては変化してきています。
住民サービスについては、大阪市政の中で今後も目が離せないことがたくさん出てくると思いますので、それを的確に発信できるようにがんばっていきたいと思います。みなさんの勝利をめざす意思を固めていただくことをお願い申し上げます。
(おわり)