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シャープ住民訴訟2周年の集い

市民のための税金がなぜ巨大企業のために使われるの?シャープ住民訴訟2周年の集い

住民訴訟の到達点・大阪都構想について学習と交流をおこなう

 7月17日(日)堺市民会館で「シャープ住民訴訟2周年の集い」が開催され、住民訴訟の到達点や大阪都構想についての学習と交流がおこなわれました。

【特定企業の利益と「施策の共同性」】

 2009年7月24日にシャープ等への公金支出をただす住民訴訟が始まってから、2年が経過し、現在、法定では、原告・被告双方の主張がほぼ出そろいつつあります。

 集会では、今回の訴訟で地方財政の研究者として裁判所に意見書を提出した立命館大学の森裕之教授が、「シャープ住民訴訟と『大阪都構想』・橋下維新改革」と題する記念講演をおこないました。

 森教授は、堺市におけるシャープ誘致の過程においては、全国的にも巨額かつ長期にわたる補助金・不均一課税が行われただけでなく、周辺道路・下水道再生水などのインフラ整備、開発許可手続きや環境アセスメントの免除など、さまざまな施策を総動員して、新日鐵やシャープに対する便宜がはかられたと分析。

 地方税法の解釈上は、課税免除等を行う場合それが住民一般の利益を増進するものである場合に限り認められるにもかかわらず、堺市は法定の場でも、シャープ立地の「波及効果」について、「これから調査する」と繰り返すばかりで、何一つ具体的に反論していないことを指摘し、その不当性について改めて言及されました。

堺市消滅の危機に対抗する運動と政策を!】

 また、橋下知事が推し進めようしている「大阪都構想」について、府内自治体の財源(約3分の1)と、独立した自治体としての権限を吸い上げ、「企業都市」「集客都市」をめざすもとで、シャープ誘致等に象徴される大阪湾ベイエリアへのインフラ再投入をめざすものであることを指摘。政令指定都市の権限や財源が吸収され「3つに分割」される堺市は更に深刻であり、「堺市消滅の危機」と認識して、「大阪都構想」に対抗し、堺市独自の「創造都市」をめざす政策を打ち出すべきであるとされました。

 講演の後、市民ミュージカル「炎のまちから合唱団有志」による堺のまちをテーマにした合唱曲の演奏や、大阪府庁WTC移転に反対する大阪市市民グループのみなさんとの交流、堺浜周辺のインフラ整備の状況の上映、弁護団からの訴訟の経過報告などがおこなわれ、森教授への質疑応答を中心とした意見交流がおこなわれました。

補助金・不均一課税の差し止めのために署名運動スタート】

 集会の最後に、住民訴訟原告団から、引き続きさまざまな角度から、シャープ等への優遇策が広く住民一般の利益につながるものではなく、特定企業の利益を補填するものでしかないことを証明し、公益性のない補助金・不均一課税を差し止めるため、裁判所への要請署名運動などに取り組む決意が表明されました。