堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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第40回子どもと教育を守る市民大集会

子どもの声に耳を傾けよう

3月1日付

「私にとって、子どもでいることは『苦行』のようなものでした。元気で明るい自分でなければ、なんでも真面目な自分でなければと強迫観念にとらわれた子ども時代でした。親の期待にこたえて、よい子でがんばり続けることに疲れました。今は、私のような思いをする子を少しでもへらす為には、『学校』にカギがあるのではと思って、この授業を受けています」
 2月17日、第40回子どもと教育を守る市民大集会が4年ぶりに開催され、元教員で和歌山大学講師の土佐いく子さんが「心の声に耳をかたむけ 安心の居場所を」と題して講演。
 冒頭は、大学生の言葉。土佐さんは、子どもたちがコロナ禍で苦しんでいると話されます。信じられる人に出会えなかった、自分を演じ、ある種の不安にさらされ、孤独を感じていると。
 そんな子どもの声を聴くために土佐さんは問いかけました。
「子どもってなんだ?遊びは発達の要。ちょっとでも早く何かを身に付けさせようと、時間、空間、仲間、子ども達から子ども時代を奪っていないか」「理解できないことをするとき、実は子ども自身が困っている。説教してもしゃあない。話を共感して聴く大人に、子どもは心をひらく」「言葉の力は、人間発達・学力の要。共感してくれる人と言葉で会話し、言葉で考え、子どもは理解を深めていく」「人間関係はこの時代のネック。子どもは大切にしてくれる人がいたら生きられる。大切に、とは『塾や習い事をさせてくれた』ではない。『笑ってくれた、話を聴いてくれた』と親の愛情を感じることだ」。
 土佐さんは最後に、「よい子、よい親であれと思いすぎないこと。さまざまな情報に不安にさせられるが、何が大切か、時々、原点に立ち返って考えませんか」と呼びかけました。
 教員不足、不登校30万人、中高生のうつなど、今の教育現場が悲鳴を上げているなか、子ども観そのものを問い直す必要があると感じた講演でした。