堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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堺ふしぎ発見(7)

11月22日付

 「会社のトイレ、高島屋のトイレ、プラットプラットのトイレ、ベルマージュ堺のトイレ…堺じゅうのあらゆるトイレで泣いた気がする」
 料理コラムニストとして活躍している山本ゆりさん。家にある食材や調味料で簡単に作れる料理が人気を集めるとともに、日々のできごとを遊び心や笑いで綴った文章も注目され、本も次々と出版されています。堺で過ごした日々をエッセイでたどりました。
 山本さんは、大学卒業後、広告代理店に営業職として就職。2009年から2年間、堺区を担当エリアとして飛び込み営業をしていました。
 「普段、『いってきまーす』と会社を出て、2階から1階まで自転車を抱えて階段でおろしてきて(この作業ほんま嫌いやわ)一日堺の街を自転車で走り回ってます」「私こんな肉体派の社会人になりたかったんだっけ‥だいたいインドア派で人見知りやのに、何が嬉しくて炎天下、立ちこぎとかしてんねん」「オフィスでカップスープ片手に手作りのお弁当を広げ、アフター5にヨガ教室で自分磨き…みたいなOL生活とは程遠い、昼は牛丼屋、夜は居酒屋」と綴りながら、パン屋、警備会社、介護施設、清掃会社、居酒屋などありとあらゆる会社に求人広告の営業を続けていました。
 そんな山本さんが内勤をするのが、原稿締切日の金曜日。その日のお昼ご飯は、たいていまるはのかつ丼。営業所で注文を取りまとめ、取りに行く。原稿を書いた後に食べたかつ丼を「サクサクのとんかつがどーんとのっかっていて卵は少なめ、だしが甘くないのが特徴。そこに、付属の一味と山椒をたっぷりかけて食べます」と振り返っています。
 今は毎週金曜日の料理番組に出演し、ブログもインスタグラムもフォロワーが多数の山本ゆりさん。広告代理店営業所唯一の女性社員としての2年間、雨や風にさらされ、夏の暑さや日焼けに苦しみ、セクハラやんとつぶやきながら、不況下の堺の街を走り回った一労働者の日々が生き生きと記されているのでした。