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マイナ保険証「協会けんぽ」の約40万人分の情報 ひも付かず 現行保険証の存続が唯一の解決策

8月21日付

 いわゆる「マイナ保険証」をめぐり、「協会けんぽ」で、およそ40万人分の情報が、マイナンバーとひも付いていないことが判明し、政府が来年秋に計画する紙の健康保険証の廃止はますます不可能となっています。

 

 各報道機関は、マイナンバーカードと一体化した保険証をめぐり、「協会けんぽ」でおよそ40万人分の情報が、マイナンバーとひも付いていない状態になっていると報道しました。

 中小企業の従業員とその家族などが加入する医療保険協会けんぽ」を運営する全国健康保険協会によりますと、加入者の1%にあたるおよそ40万人分の情報がマイナンバーとひも付かず、マイナ保険証を持っていても、使うことができない状態になっているということです。

 加入者のマイナンバーの情報が協会側に提供されていないことや、住所や氏名などをもとに情報を照会してもマイナンバーが判明しないケースがあったことなどが原因だということです。

 この間、相次いで発覚した誤登録に続いて、多数の未ひも付け者を生んでいることが今回わかりました。

 

医療保険情報のひも付けできない状況は制度の欠陥

 政府が描くマイナンバーカードでの受診の大前提だった医療保険の情報とマイナンバーのひも付けすらままならない状況は制度の欠陥を示しています。また政府が来年秋に計画する紙の健康保険証の廃止は、この未ひも付け問題の発覚で不可能であることは明らかです。
 マイナンバーカードと保険証のひも付けでトラブルが相次ぐなか、岸田首相は4日の記者会見で、来年秋の保険証廃止について現時点では維持するとの考えを示しました。河野デジタル担当相は、マイナンバーカードの活用拡大は行政運営の効率化につながるとしています。

 

「資格確認書」は多額のシステム導入費と人員も必要

 しかし、自治体窓口では、通常業務に加え、マイナンバーカードやマイナ保険証の申請、マイナポイントの手続きで負担が増し激務となっています。これに、秋までの「総点検」や保険証廃止に伴う業務、「資格確認書」の発行業務が加われば膨大な事務作業となります。また、「資格確認書」発行には百億円以上の費用が掛かり多額の支出をともないます。

 自治体職員からは、「資格確認書の発行は、本人確認のためシステム導入費と人員も必要となり、合理的でない」「総点検は、国が問題や課題を精査しないまま、自治体に責任をなすり付けるような気がして不安」「人員不足で負担が増えるなか、首相の会見で不安になった」などの声があがっています。
 岸田首相が廃止方針に固執する背景には、マイナンバー制度をめぐる政官財の癒着があります。マイナンバー事業に制度設計段階から関わってきた5社連合は、内閣府から123億円で受注しています。そのうちNTTコミュニケーションズを除く、富士通日立製作所、NEC、NTTデータの4社は、自民党政治資金団体に5・8億円もの献金をしていたことが明らかになっています。

 

現行保険証の存続が唯一の解決策

 いま国民の不安を払拭する唯一の方法は保険証を存続させることです。この間の各紙世論調査でも、保険証廃止の「延期・撤回」が7割を超えています。保険証廃止を直ちに撤回し、現行保険証を存続することが国に求められています