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マイナ保険証トラブル 医療費10割負担 1291件

7月5日付

 現在の保険証を来年秋に廃止してマイナンバーカードに一本化する「マイナンバーカード法」が成立した(6月2日)後も、トラブルが相次ぎ、保険証廃止の延期・撤回を求める声が広がっています。

 

 「日経」の世論調査(6月26日付け)では、マイナンバーカードのトラブルへの政府の対応は「不十分だ」が76%にのぼり、内閣支持率は39%へ8ポイント急落しました。

 

 開業医の6割が加盟する全国保険医団体連合会(保団連)の調査(6月21日公表)によると、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」について、医療機関の65%で「被保険者の情報が正しく反映されない」などのトラブルがありました。他人の医療情報が誤ってひもづけされれば、命にかかわる問題になる恐れがあります。(調査は保団連会員の6万6462医療機関を対象に実施。41都道府県の1万26施設が回答)

 

10割負担のケース・他人情報ひも付け

 オンライン資格確認を運用する8437施設のうち、5493施設(65・1%)で「トラブルがあった」と回答。その内容では「無効・該当なしと表示され、被保険者の資格情報が正しく反映されない」が3640件(66・3%、複数回答)と、最多でした。

 オンラインで資格無効と表示され、患者が医療費の全額を窓口で請求される「10割負担」のケースが、38都道府県で最小でも776件(保団連推計1291件)発生しています。

 「他人の情報がひも付けられていた」が31都道府県で114件、医療機関で本人確認を行う際、マイナ保険証所有者と別の人の顔で認証されたケースが3件報告されました。
 保団連の住江憲勇会長は記者会見で「機微に富む情報をマイナカードでひも付けることの危険性が国民に共有され、(延期・撤回を求める)世論が前進している」と述べ、運用を停止した全件チェック、現行保険証の存続を求めました。

 

地方自治体からも保険証廃止に反対の声

 地方自治体からも保険証廃止に反対する声が上がっています。
 神奈川県座間市、埼玉県の三芳町鳩山町などの各議会で現行の健康保険証存続を求める意見書が可決されています。

 東京都世田谷区の保坂展人区長は記者会見(6月22日)でマイナンバーカードと一体化する政府方針に対して「医療機関でも不具合が発見され、混乱が起きている。この事態を放置するべきではない。今の保険証の廃止は凍結し、従来の保険証も存続すべきだという意見だ」と述べました。
 相次ぐトラブルを受け、岸田首相は、6月21日の記者会見でも「こうした事態を重く受け止めている」と述べながら、国民の声に耳を傾けず、廃止の方針を変えない姿勢です。


 堺市役所では、6月末時点でのマイナンバーカードの取得状況のアンケートが実施されています。そのことへの違和感や一体化への不安、苦情を受ける職場での不満、「任意(取得)」はどこへ?といった声が届いています。