4月21日付
9日に投開票された統一地方選挙について、特に大阪では大阪維新の会について各マスコミが「大阪府知事・市長選挙で圧勝」「府議会で議席を増やし、大阪市議会でも単独過半数」「4年前の統一選からさらに躍進し、主要な政策でもあるIRについても民意を得た」と報じました。
ですが本当に大阪全体で「維新圧勝」なのでしょうか。堺市議選では維新の会は、改選前と同じ18議席。3区で落選者を出しました。
橋下徹府知事(当時)が大阪維新の会を結成したのとほぼ同時期の2010年国勢調査と直近23年3月までの12年余りの人口データから考察します。
いわゆる「大阪主要6区」と呼ばれる地域は、商業施設が充実しタワーマンションが林立した結果、中央区42%、西区31%、北区30%、浪速区29%、天王寺区21%、福島区20%と、この間著しく人口が増加。これらの地域は「維新が改革をすすめた大阪」を象徴する区としてマスコミが取り上げ、大阪全体が発展しているかのイメージを与えました。
一方で堺市の人口は3・3%減。特に南区は14%減で2万人を超える減少となりました。同様に、河内長野市、千早赤阪村、豊能町、能勢町のような大阪市中心部から遠い市町村は特に大幅な人口減少が続いています。すなわち大阪は中心部の発展の陰で周辺部が衰退しているのです。
マスコミは「報道のしやすさ」を好みます。中心部の活況から「維新政治で大阪は発展した」という構図に仕立てるため、周辺部の衰退は取り上げません。
「維新圧勝」報道と堺市議選の結果の落差は、こうした現実から、市民は維新政治での発展を実感していないと考えられます。
マスコミ報道を客観視し真実として何が起きているのか。それを調査分析していくことが大切だと思います。