12月15日付
先の秋季年末交渉で当局は「振替」の運用見直しを回答しました。執行部は、見直しの具体案を早急に示すよう、当局に求めています。
11月17日に示された回答では「週休日に出勤をした場合の振替について、健康管理の観点から、半日単位の振替を行う際には1日休むことのできるよう有給休暇の併用を推奨するなど、振替の運用を見直すこととしたい」としています。
組合が行った秋季年末要求アンケートでは、これまでの「原則振替」の運用について、本人の選択制とすべき(48・8%)、同一週内での振替以外は時間外(20・8%)、現行の取扱いでよい(18・9%)となっています。
「振替」と「代休」
そもそも「振替」とはどういうものか?厚生労働省のホームページでは「Q.振替休日と代休の違いは何か。」「A.『休日の振り替え』とは、予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。これにより、予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。」「一方、いわゆる『代休』とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。」と説明されています。 つまり「振替」の場合は休日労働を命じる際に、事前に振替日を指定する必要があり、休日労働を行った後に振替日を指定した場合は「振替」ではなく「代休」となり、(法定)休日の「代休」については割増賃金の支払いが必要となります。
また、労働基準法では労働時間を1日8時間、週40時間を上限としており、仮に「振替」を行った場合でも、それが同一週内でなければ週の勤務時間が40時間を超えることになります。現在の運用では「振替」は前4週から後8週の範囲内で振替えできることなっていますが、「健康管理の観点」からすれば同一週内への振替が必要となります。
(週の単位は日曜日から土曜日となるため、土曜日に勤務を命じる場合には、前日の金曜日までに振替を行う必要がある)
実質的な振替の強制
平成21年3月30日付けの通知では「週休日の振替は、同一週内への振替を原則とします。ただし、業務上、やむをえず同一週内に振り替えることができない場合は、前4週から後8週までの勤務日と振り替えることができます」とされていましたが、平成29年4月25日付けの通知では「正規の勤務時間と同一の勤務時間帯を含む場合は、必ず勤務日と振替えるとともに、職員の健康保持やワーク・ライフ・バランスの観点から、同一週内の勤務日と振替えるよう努めてください」と「振替」が強調され「同一週内」がトーンダウンしました。
執行部は「振替」の運用見直しとともに、休日出勤を生じさせない職場、有給休暇を取得しやすい職場とするための人員体制の確保についても当局に求めていきます。