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「広域行政一元化」条例案は断念を 大阪自治体労働組合総連合が声明

2月1日付

 大阪自治労連は、1月22日に「副首都推進本部会議」が「府市一体化・広域一元化に向けた条例」案の骨子を決めたことについて、有田洋明執行委員長の声明を発表しました。

 

『都構想』ノーの民意に反する「広域行政一元化」条例案を断念し、大阪府大阪市が先頭に立って新型コロナウイルス感染症対策のさらなる強化を求める
 1月22日、大阪府大阪市は「副首都推進本部会議」を開催し、成長戦略に関わる市の権限を府に移譲する広域行政一元化条例案の「骨子」を両議会で提案する方針を固めました。
 そもそも大阪「都構想」が住民投票で否決されたにも関わらず、「二重行政が生じない体制が必要」として、「副首都推進本部会議」を条例で位置づけ、大阪の成長戦略を府と市が協議し、事務委託をすすめるとしています。また、市所管の高速道路や鉄道など広域的な都市計画の権限を府に移行し、「うめきた2期」「なにわ筋線」「阪神高速淀川左岸延伸部の整備」など府・市一体ですすめる施策も含めた条例を4月1日に施行することを狙っています。
 吉村知事は「この10年間を多くの市民や府民から支持いただいている。大阪の成長のため、府市あわせはやめようというのが条例案の肝だ」とし、松井市長は「大阪府が責任をもってもらう。大阪中心部への投資に財源も口も出すことはやる。880万府民全体で負担する形をつくる」と述べています。
 しかし、これを条例化すれば、副首都推進本部会議で何でも決めて、いくらでも対象範囲の拡大が可能になります。自治体としての意思決定や議会の議決を縛るとともに、大阪市独自の都市計画が決定できなくなります。さらに、政令指定都市大阪市がもつ権限や財源を自ら放棄し、一人前の地方自治とは言えず、地方分権の流れにも逆行するものであり、二度にわたる住民投票の市民の意思を真っ向から否定することになります。
 いま、新型コロナウイルス感染拡大で「緊急事態宣言」が出されるもとで、大阪は全国でもっとも死亡者や重症者数が多く、深刻な事態を迎えています。医療や保健所体制をはじめ、府民のいのちと安全を守るために新型コロナ対策に全力をあげるべき時です。大阪府大阪市は「自治体の制度いじり」に没頭している時ではありません。
 吉村知事と松井市長は、二度の住民投票で否決されたことを真摯に受け止め、大阪市民や府民の願いに応えて「広域行政一元化」条例案を断念することを強く求めます。

 

堺市職労は、府下や堺市内各労組・団体の仲間とともに、大阪市内での宣伝行動や松井市長あて請願署名などに取り組んでいます。