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「府市一体化条例」慎重審議を求める 大阪自治体問題研究所が緊急声明

3月17日付

 大阪自治体問題研究所(中山徹理事長)は15日、大阪府大阪市がそれぞれ議会に提案している「府市一体化条例」について、拙速な採決を行わず慎重な審議を求める緊急声明を発表しました。(要旨を紹介します)

 

知事が本部長の副首都推進本部へ一極集中
条例案の中で注目されるのは、第1に、副首都推進本部会議に条例上の根拠が与えられ、強固な仕組みを構築しようとしている点です。そのためにこの会議に、大阪の成長・発展に関する府市の基本的方針や、これに基づき策定する計画等を協議するとともに合意事項についての進捗管理の権限を付与しようとしています。」


巨大開発が加速
「第2に、府市が広域行政を一体的に取り組むため、広域的観点からのまちづくり・交通基盤等に関する都市計画の権限について、府が一元的に処理する方針が定められる点です。
 『二重行政の解消』を名目に、従来は大阪市が有していた一定の都市計画権限を『事務の委託』という手法によって大阪府に移し、大阪市外の区域について府が有していた都市計画権限とあわせて、府の側に統合しようとするものです。これは地方分権の要請にも反しています。
 また、都市計画行政においては、もともと府と大阪市は守備範囲が分かれていて、権限が重なる『二重行政』は存在しません。したがって、2棟の高層ビルなど機能の重なる施設を二重に設けるような『二重行政』による税金ムダ遣いの解消に、府市一体化条例は役立ちません。狙いは大阪市内と市外とで都市計画権限の所存が異なることで巨大開発に関する計画の調整が滞り、事業が進まない事態を打開することにあります。
 必然的に、万博関連に名を借りた成算の乏しい巨大開発も抑制が効かなくなり、かえって税金のムダ遣いは加速されるでしょう。」


将来拡大の可能性
「今回の条例案では、一元化されるのは副首都推進本部の所管する大阪の成長・発展に関する方針や計画の決定と、都市計画法に基づく一定の権限に限られています。
 しかし、条例案の中には府市の一体的な行政運営のための諸手法が掲げられていて、将来的に大阪市の権限がさらに幅広く府に移される可能性が示唆されています。さらなる権限移譲がすすめられた場合、大阪市地方公共団体として住民のための行政を自立して実施する包括的な権限を失う恐れがあります。」


党利党略の一体化条例
「副首都推進本部会議はすでに要綱に基づき設置されており、条例案上に列挙された諸組織も設置済みのものばかりです。都市計画権限の事務の委託も、条例の定めがなくても実行可能です。それでも吉村知事や松井市長が府市一体化条例の制定にこだわるのは、維新の会の看板政策である『都構想』に替わる新たな看板が必要だからと考えられます。
 このような政治的意図は不当であり、拙速な採決を行わず、慎重な議論を求めるものです。」


強行可決を許さない
 堺市職労は、大阪市内での宣伝カー毎週運行や、ビラ配布などを行ってきましたが、引き続き「府市一体化条例」強行可決を許さないために世論を広げる取り組みをすすめます。