働き続けられる制度構築を 切実な当事者の声をふまえ
(8月19日付)
7月17日付本紙にて「がん治療と仕事の両立支援」について、社会の流れと国や民間企業の制度などを紹介しましたが、私たちが働く堺市ではどうでしょうか。
堺市の現状
堺市では平成24年に「堺市がん対策推進条例」が制定されました。その後、医療技術の進歩による治療と仕事の関係変化や厚生労働省ガイドラインなどを受け、市内企業を対象に「がんになった従業員に対する仕事と治療の両立支援」についての啓発や、市民を対象にがん無料検診を行っています。
しかしながら、堺市職員の病休制度では、人工透析については治療法に適した制度が設けられていますが、がん治療については通常の病休制度の範囲内であり、現在におけるがん治療の在り方とは乖離があります。治療しながら勤務している職員も多く、組合にも当事者や関係者から複数相談が寄せられています。
労使同じベクトルで
がんは「日本人の3人に1人が就労可能年齢で罹患する」と言われる身近なものであり、誰もが当事者やその家族になる可能性があります。市内企業への啓発と同時に、堺市自らが先駆的に病休制度などの環境整備を進めることが、社会問題に対して積極的に取り組む堺市の姿勢を広く社会に発信することに繋がります。そういった意味でもこの問題は、労使が同じベクトルを向いて取り組んでいく課題だと考えます。
今後、組合としては要求書をまとめ、提出し、職員がより働きやすい制度や職場環境を求めていきます。