1月20日付
保育園のクラスの子の誕生日を覚えて手帳に書き込んだり、「将来、○○ちゃんと結婚すんねん」と教えてくれる子どもは、現在5歳7か月。父親から離れる日を覚悟せなあかんなとぼんやり思う日々です。
さて、英米の辞典が2016年の言葉として「ポスト真実」を選んだと話題になったそうです。よくよく考えれば「ほんまかいな」と疑わしいウソが、まるでほんまであるかのように広く行き渡ってしまう状況を表すこの言葉は、イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選挙で振り撒かれたデマが、瞬く間に拡散されたネット社会をうまく表現しているように思います。
なんでみんなそんなウソを信じてしまうんかなと思っていましたが、僕自身、インターネットで「いいね」やシェアが大量にされている情報はなんとなく信頼できる気がするし、日々の忙しさの中で一つの物事についてしっかりと調べて結論を出すよりも手軽な説明サイトの情報を参考にしており、自分もポスト真実に翻弄されるかもと気付きました。
一方で、子どもには「ウソついたらあかん」と言っていますが、こんなことで子どもがついてはいけないウソをついたときにちゃんと見抜けるのか、とおろおろしました。
しかしふと、子どもに接するときの自分の態度が参考になると思い至りました。
子どもは、こちらが逃げ腰でいると関わってこなくなり、向かっていくとわがままを言ってきます。僕は子どもが何でそういう態度をとるのかほとんど分からないのですが、少なくとも分かろうと努めてはいるのでした。
情報があふれる時代にあっても、ちゃんと目を見て分かろうと努めることがポスト真実への対抗策なのだと、父と風呂に入ることを今日も拒む子どもを見ながら思うのでした。