堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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給与水準引き上げへさらに運動をすすめよう

総務省が給与実態調査(1月11日付)

昨年12月27日、総務省が昨年4月1日時点における地方公務員給与実態調査を発表しました。

堺市は1P超の増?

 この数値は一般に「ラスパイレス指数」と言われるもので、国の職員数(構成)を用いて、学歴や経験年数の差による影響を補正し、国の行政職俸給表(一)適用職員の俸給月額(基本給)を100として計算し、指数化したものです。

 全団体の加重平均は99・3(前年比0・3増)。区分別では都道府県が100・3(同0・6増)、堺市を含む指定都市が100・1(同1・1減)、市が99・1(同0・4増)、町村が96・3(同0・5増)となりました。堺市は100・5(同1・1増)で指定都市20市中13位(前年17位)となっています。堺市は指定都市移行後常に最下位から3位以内の低水準でしたが、今回初めてその水準を脱しました。この数値だけを見れば堺市職員や指定都市を除く地方自治体職員の給料があたかも国に対して引き上げられたかのように思われます。しかし昨年の給与改定は国、本市ともに0・36%と同水準で、当然引上げ額もその水準通りのものでした。ではなぜ相対的に引き上がったのでしょうか。

増加のカラクリ、狙いとは?

 それには「給与の総合的見直し」の狙い通りのカラクリがあります。ラスパイレス指数は基本給のみを対象に算出していますが、給与には基本給に加えて手当があります。特に「地域手当」が「総合的見直し」の根本的な点です。総合見直しでは基本給を引き下げる一方で、東京を中心とする大都市の地域手当を引き上げることによって全体的なバランスを図りました。更に霞ヶ関においては「本府省手当」を加算することにより、「中央優遇、地方冷遇」を鮮明にしました。結果、霞ヶ関を中心とする東京等の大都市で働く国家公務員は基本給を低水準に抑えながら手当を加算することによって全体の給与水準を保ち、地方公務員は基本給を下げられ、かつ国に対してあたかも給料水準が引き上がったかのように見せられる、という状況を作りだしたのです。右棒グラフで示された国家公務員給与(白棒)が地方公務員給与(グレー棒)に年々差をつけていることからもそのことがわかります。

 さらに、指定都市はあたかも水準が下がったかのように見えますが、横浜市(地域手当がH27年度12・26%→H28年度16%)、大阪市(同15%→16%)、名古屋市(10→12%)、川崎市(12→16%)、千葉市(同13→15%)等が地域手当引上げに合わせて給料表を引き下げたことに伴うもので基本給・手当を含めた総額が減少したわけではありません。結果的に地域手当が10%のままであった堺市や、変動のなかった幾つかの市が相対的にラスパイレス指数やその順位が上がったように見えてしまっているに過ぎないのです。

数値に惑わされず運動

 今年度、堺市は「総合見直し」を導入するための経過措置3年間の初年度となっています。本来ならこの1月は定期昇給で、給与明細を確認するのが喜びであるはずですが、大半の職員は本来昇給するべき幅の半分以下に留まり、全く昇給しない職員も大勢発生します。その導入根拠となっているのがこれらの理不尽なカラクリから生み出されているのです。

 堺市職労は合理性のない算出によるラスパイレス指数に惑わされることなく、正当な分析をもって、適正な給与水準を確保するための運動を継続します。