根拠なき給与総合見直し 撤回に向けて取り組もう(4月14日付)
年度末から年度当初にかけて昨年の堺市人事委員会勧告(市人勧) に基づいた給与改定が行われました。ひとつは昨年度当初まで遡及して3月31日に差額支給が行われた引上げ改定、もう一つはこの4月給与から行われる引下げ改定です。
堺市には、労働基本権の一部制約の代償措置として、人事委員会が設置されています。
昨年の市人勧は引上げと引下げが同時に盛り込まれるという極めて異例の事態になりました。
例年通りの較差支給
引上げについては例年通り、当年4月時点での堺市内民間企業の給与と堺市職員のそれを比較したもので、昨年は例月給で1461円(0・36%)、期末・勤勉手当(ボーナス)で0・1月分、それぞれ民間が市職員を上回っていたため、その較差分の差額を支給する、過去何度も行われてきたものでした。国家公務員や大阪市を除くほとんどの政令指定都市でも同様に引上げ改定が行われており、当然の結果です。
しかし引下げについては違います。一昨年、国家公務員賃金について人事院が勧告し、昨年から実施された「給与制度の総合的見直し」を無理矢理堺市に当てはめ、本俸(基本給)平均1・5%、最大3%引き下げるものです。
国制度を無理矢理導入 そもそも「総合的見直し」は本俸を平均2%、最大4%引き下げる一方で、東京23区内等の地域手当や霞ヶ関等の本府省手当を引上げ、全体的な配分を見直すもので賃金引下げを趣旨としていません。独自の人事委員会を持ち、かつ地域手当が引き上げられた他の政令指定各市の状況を見ると、地域手当の引上げ分を相殺するように総合見直しに伴う引下げが行われ、給与水準は均衡を保っているものもあります。
堺市では本府省手当がないことはもちろん、地域手当が10%で据え置かれている(ただし東京23区内で勤務される方は18→20%、医療職給料表適用者は15→16%に改定)こともあり、基本給引下げのみが改定されました。本来の趣旨とは異なったもので、導入する根拠がありません。
また、昨年度末日付の給料が3年間現給保障されるため、この4月から賃金引下げとなるケースはないものの、比較的高齢の方や、主に課長補佐級以上の方は3年間で格付上の給料が現給保障額に達しないケースもありえます。更にこの4月に昇級した方については本来1万円前後の昇給が見込まれながら半額程度に留まるケースがある等、仕事のモチベーションの低下に繋がる懸念もあります。
賃上げは全国的流れ
昨年10月、大阪府の最低賃金が時給838円から20円引き上がったことなど、賃上げは民間を含めた全国的な流れとなっています。 堺市職労としては来月に夏季闘争、8月予定の人事院勧告、さらには秋に行われる市人勧についても様々な取り組みを行います。総合見直し撤回・賃金改善に向けて職場での奮闘をお願いします。