堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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今年度の地方公務員給与水準

堺市給与、政令市では中位水準(1月22日付)

 今年度4月時点での地方公務員給与水準、いわゆる「ラスパイレス指数」が発表されました。堺市政令指定都市20市中、11位となっており、ほぼ中位の水準です。

 

 令和2年4月1日時点での、国家公務員給与を100とするラスパイレス指数(ラスパイ)は政令指定都市20市においては1位は仙台市(前年度2位)で102・6、2位静岡市(同1位)102・5、3位さいたま市102・0(同3位)などと続き、堺市は11
位の100・3(同10位タイ)でした。なお最下位は大阪市の96・7で、ここ数年連続最下位となっています。
堺市は下位から中位に
 政令20市で昨年度からラスパイが変化したのはせいぜい0・2で、その関係から昨年度の順位もほぼ変動なし。政令市における本市水準は、平成26年度から19位、17位、13位、15位、14位と常に低位水準で推移してきた状況から昨年度10位タイとようやく低位水準を脱却し、今年度もほぼ同様でした。隣接市の大阪市を3・6上回って、「堺市の給料が高い」と思われるかもしれませんが、これにはカラクリがあります。
地域手当に差異がある
 今年度の両市人事委員会報告に記載されている行政職平均給与は大阪市397、014円、堺市388、488円。ラスパイとは異なり、大阪市の方が2・2%高くなっています。なぜこうなるかというと、「手当の差」です。ラスパイは本俸のみを比較して手当部分は比較せず、とりわけ「地域手当」が大きな差を生みます。地域手当は、比較的物価の安い地方を0とし、物価の高い地域に加算する手当ですが、大阪市堺市大和川で接し、お互いの市に住みつつ通勤する人も多いながら、大阪市堺市では平均で2万円近い地域手当支給差額があり、結果「平均給与は大阪市が高いのにラスパイでは堺市が高くなる」のです。
 これは国と地方についても言えることです。
政令市平均ラスパイは99・9とこの数字だけ見れば国と地方はほぼ同水準に見えますが、平均給与月額ベースで(地方を国と同様の年齢・職階に置き換えた場合)は国の方が約4万8千円、11%以上も高くなっています。
 これもやはり「手当の差」です。国の機関が多く置かれる東京特別区部では地域手当が20%と高い上、「本府省手当」という地方にはない手当まで支給されています。さらにラスパイ計算時には、国家公務員の指定職(幹部職員)は比較対象外であり、それも地方のラスパイを高く見せる原因となっています。
 このように、ラスパイだけでは、給与水準を正確に比較することはできません。また、この給与額が、生活実態に見合う十分な賃金であるかどうかもわかりません。表に出る数字だけでなく本質的な状況も分析しながら対応していかなければなりません。