堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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給与水準=ラスパイが公表される 地域全体を引上げる賃上げを

数値では中位も実質は最下位・大阪市に及ばず(1月20日付)

2022年4月時点でのラスパイレス指数総務省から公表されました。一見、堺市の数値は国並み、政令指定都市中位となっていますが、内容を分析していきます。

 

 ラスパイレス指数(ラスパイ)は国家公務員の給料水準を100とした場合、各地方公共団体の給料水準を数値化したもので、毎年4月分が公表されています。2022年4月時点での堺市ラスパイは100・1で国とほぼ変わりません。政令指定都市20市中でも浜松市と並ぶ10位タイと、前年度と同じで中位です。なお、隣接する大阪市政令市最下位の97・1と堺市が3ポイント上回っています。
国と本府省手当の差
 ラスパイは手当全てを含んだ給与全体でなく、「本俸」部分のみを比較したものです。22年の人事院勧告資料、大阪市堺市の各人事委員会資料での平均本俸(月給、行政職Ⅰ)は国323,711円、大阪市315,110円、堺市322,496円。平均年齢が違うため単純比較はできませんが堺市は「国並みで大阪市より高い」ように見えます。しかし国家公務員、特に霞ヶ関のような中央省庁で働く職員には「本府省手当」があります。これは近年不人気職である国家公務員対策として導入されたもので、管理職でない係長・係員に支給されます。また霞ヶ関のある千代田区などの特別区は「地域手当」が高く、本俸等に20%の加算がされます。それらが積み上がる結果、本府省職員の手当を含む平均給与は448,153円と、堺市の381,673円よりも約6万6千円も高くなります。なお平均年齢は国40・5歳、堺市41・2歳なので年齢を揃えて比較すればその差は更に広がります。
大阪市と地域手当の差
 また大阪市との比較では「地域手当」の格差が大きいと言えます。国に準じて地域的物価の差異を調整するそれは大阪市16%に堺市10%と大きな差です。よって同手当平均支給額で大阪市約5万3千円に対し堺市は約3万4千円。結局1万円以上も逆転し、堺市は見た目の数値こそ「中位」ですが、実質は最下位市と比較しても低水準です。しかも、昨年秋の人事委員会勧告で堺市わずか962円に対し、大阪市は7564円という大幅引上げ。大和川で接し、お互いの市に住む職員もいるという状況でありながら、その格差は一層拡大しました。
賃上げの声広げよう 
 ここ数年、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻という世界情勢に大きく影響する事象が続きました。輸出・輸入という前提が当然となったグローバル経済の中、昨年11月の日本の消費者物価指数が前年同月比3・7%増と40年11か月ぶりの伸び率を記録。ガスや電気代を中心に家計を圧迫していますが、大幅に給与引上げ勧告が行われた大阪市でも、その半分程度の改定率に過ぎず、堺市においては全く追い付いていません。
 17日、春闘に向けて経団連春季労使交渉の経営側指針を発表しました。その内容は「企業の社会的な責務として賃金引き上げの勢いの維持・強化に向けた積極的な対応」でした。ご存知のとおり、公務員給与は民間との均衡が重視され、民間企業が賃金引上げとなれば、夏の人事院勧告、秋の人事委員会勧告で公務員給与も引き上がる、好循環が生まれます。民間の春闘は公務員にとっても大変重要です。
 堺市職労も地域労連や自治労連とともに運動し、要求実現に向けて取り組んでいきます。賃上げの声を広げましょう。