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大阪市立住吉市民病院廃院に厚労省同意

地元合意なく強行した松井府知事の責任重大(3月8日付)

 大阪府は3月1日、大阪市立住吉市民病院(住之江区)を府立急性期・総合医療センター(住吉区)に統合する再編計画に厚生労働省の同意が得られたと発表しました。

 計画では、市南部の小児・周産期医療を担う市民病院を、地理的に近い医療センターに統合、敷地内に府市共同で母子医療センターを新設。病床数は減少するが、新生児の集中治療室を増やすなど機能強化を図り、市民病院の跡地には民間病院を誘致予定です。

 厚労省の同意は2月29日付。府市両議会で関連予算案可決後、4月着工、平成30年4月開院としています。

 これに対し、住吉市民病院を充実させる市民の会は、抗議声明を発表。①府医療審議会や市南部医療保健審議会の反対等を無視して厚労省が同意したのは過去に例がない暴挙、②今回の計画では、住吉市民病院が担ってきた小児・周産期医療機能と社会的役割(虐待児や学習障害児童の受入れ、未受診妊婦や未成年妊婦の受入れなど)が果たせなくなること、③誘致予定の民間病院は小児科や産科の経験がなく、公立病院の代替として地域で定着することはきわめて困難、④大阪府はこの反対や危惧の声に対し、具体的方策を明らかにしていないとしています。

 松井一郎知事は「統合で高度な小児周産期医療を実現できる」と成果を誇りますが、今回の統合は「二重行政解消」という机上の計画からスタートしており、実態や地域の声に背くことは明らかであり、強行した責任は重大です。

 市民の会は、大阪市南部地域の小児・ 周産期医療を守るために、住民や医師会などと共同して引き続き運動に取り組むとしています。

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「計画」をめぐる経過

10月21日 住民や地元医師会で構成する大阪市南部医療保健審議会が「反対」を決議

12月11日 大阪府医療審議会委員17人中12人が反対。

12月21日 松井知事が計画書を厚労省へ提出。

2月29日 厚生労働省大阪府の計画を同意。