妊娠出産障害休暇改善も・・非正規職員の賃上げは一部のみ
全体に波及する底上げが必要(12月17日付)
秋季年末闘争についてポイントを絞って振り返っています。今回は非正規職員の処遇について検証します。
正職・最賃引上げも…
10月1日から大阪府の最低賃金が、直前までから20円引き上げられ、858円となりました。また今年9月、堺市人事委員会は常勤職員の賃金について、月例給0・36%、一時金0・1月引上げを勧告(年収換算で約1%に相当)しました。
従来、常勤職員や最賃が共に引き上げられた際には非正規職員の報酬も連動して引き上げられてきた経過があり、今回の秋季年末闘争でも組合として強く要求しました。
しかし約1%の引上げ勧告と同時に堺市人事委員会は、平均1・5%引下げとなる「給与の総合的見直し」を勧告。当局は「最賃や正職のベースアップは考慮すべき事項」としつつも「見直し」を重視し、報酬据え置きに固執しました。
「見直し」は、基本給を引き下げ、その原資で地域手当等を引き上げる国家公務員の給与制度を、強引に堺市に押し付けたものです。
他の複数の政令指定都市のように基本給引き下げと地域手当の引き上げでバランスをとるならまだしも、地域手当を10%に据え置かれたままの堺市で「見直し」を導入する根拠はなく、またそれを理由に非正規職員の報酬まで据え置くことは、ようやく幅広い層まで広がりつつある賃上げの動きに冷や水を浴びせるものです。
引上げは技能労務のみ
このようなもと、短期臨時職員の賃金についても、最低賃金と近接している技能労務(調理・用務、従来時給860円)を日額6,600円(7時間30分、時給880円)に引き上げる回答がされたものの、他の職種や非常勤職員の報酬は改善に至りませんでした。
地域経済に悪影響も
秋季年末闘争やランチタイム集会のアンケートでも「非正規職員の処遇改善」については多くの方から意見が寄せられています。また全体の労働者の約4割が非正規とされる中、堺市役所や関連職場で働く人の報酬は地域経済にも波及する重要なものです。今後も引き続き改善を求めます。
妊娠出産障害休暇
妊娠出産障害休暇はこれまで常勤職員が7日以内、非常勤職員が3日以内(週5日勤務の場合)と、付与日数に差異があり、過去の交渉でも均等待遇を求め、非常勤四共闘を中心に市職労全体で改善を迫ってきました。
この経過を踏まえ、今年の夏季交渉で当局は「研究してまいりたい」と回答。今回の交渉で「平成28年4月1日から週の勤務日数に応じて(週5日勤務7日以内など)付与することとしたい」との回答を引き出しました。
日々、同じ堺市職員として最前線で市民サービスを提供しながら勤務労働条件でまだまだ差異が存在しますが、強く要求していた点で均等待遇が図られたことは一定の成果です。
総合的に課題や不満の残る交渉結果となりましたが、今後も均等待遇や全体的な底上げによって職場の一体感の向上、チームワークを高める改善を引き続き求めていきます。