教育委員会制度『改定』法案 反対
多彩な呼びかけ人が府民に訴え
(6月4日付)
5月27日、府下の学校教育・教育研究・地方教育行政に関わってきた方々が呼びかけ人となり、「子どもたちの人間らしい成長を促す教育委員会制度を~教育委員会制度『改定』法案反対声明~」を発表し、教育関係者と府民に広く訴えています。
首長の権限強化
国会に提案されている法案では、教育委員長と教育長を一体化した「新・教育長」を設置し、議会の同意を得たうえで、首長が直接、教育長の任命・罷免(ひめん)をすることとされています。また、首長が主宰し、教育長らが参加する「総合教育会議」を各自治体の常設機関として新設。この会議では、教育行政の基本方針を定める「大綱」を協議し首長が決定するなど、首長の意向を反映させるために権限強化を図る内容となっています。
教育長アンケートにも懸念の声
「呼びかけ」では、「『改定』案は、教育の政治からの独立性と自主性、地方自治の本旨を損ない、ときの中央政府によって教育への統制がさらに強められることになりかねません。」と述べています。また、この「法案」に、「教育行政関係者、有識者から、重大な問題点が指摘され、批判と危惧の念が表明されている」として、日本教育新聞が行った全国市区町村教育長アンケートで56.1%が「有効な方法とは言えない」、66.6%が「首長の権限が強まる」と回答していることを紹介しています。
さらに、「子どもと教育に関する内容や制度は、ときの政権政党の政治目的によって改変を重ねるのでなく、いじめ・不登校・体罰、「学力」問題など、子どもと教育をめぐる現実から出発し、広く国民的な議論と合意のもとに検討されるべきものです。」と述べ、教育関係者はもとより、府民のみなさんがこの「法案」に関心をよせ、拙速な審議によって成立させることのないよう、世論を広げることを訴えています。
多彩な呼びかけ人
この「呼びかけ」の呼びかけ人には、久田敏彦氏(大阪教育大学名誉教授)、西林幸三郎氏(元大阪府小学校校長会会長)、高橋保氏(元堺市教育長)、久禮信夫氏(元岸和田市教育長)、東谷勝司氏(元吹田市立教育研究所長)、古久保暢男氏(大阪退職教職員の会会長)、池田知隆氏(ジャーナリスト)など、多彩な方々が名を連ねています。