堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

地方自治法改正案

政令市の機能強化 都市内分権

(4月11日付)

 政府は3月18日の閣議で、政令指定都市制度の見直しを柱とする「地方自治法改正案」を決定しました。「大阪都」構想を含め、大都市制度見直しが議論されてきましたが、政府として一定の方向性を示したものといえます。

改正案、今国会提出

 改正案は、政令市の区の分掌事務を条例で定めることとし、現行の「区」に代えて「総合区」を設け、副市長らと同様に議会の同意を得て選任される特別職の「総合区長」を置くことができると規定しています。

「総合区長」は区内のまちづくり、社会福祉、保健衛生などの事務を広く執行できるほか、区職員の任命権を持ち、関連予算に関して、市長に意見を述べることもできます。

 また、政令市と道府県の「二重行政」の解消を図るため、事務処理について連絡調整を行うために必要な協議をする「調整会議」を設置することとし、「調整会議」で政令市と都道府県の協議が難航した場合、市長や知事が総務相に勧告を求めることができる仕組みを盛り込みました。

 このほか、改正案は政令市に次ぐ中核市の要件を人口30万人以上から20万人以上に変更、特例市制度(人口20万人以上)を廃止し、中核市に一本化することとしています。

 また、「新たな広域連携の制度創設」として、人口減等で単独では既存の住民サービスを維持することが難しい自治体に、近隣自治体と事業や費用負担の分担が可能となる「連携協約」を締結できることとしています。

地制調答申を受けて

 これらの改正案は、都道府県の政令市への事務移譲やそれに伴う財政措置について検討の必要性に触れた、昨年6月の第30次地方制度調査会答申を受けたもので、地方分権・都市内分権と住民自治の拡充に一定の方向性を出したものと言えます。

 また、一部では「大阪都」構想の「対案」ともいわれていますが、国会や大阪府議会、大阪市会並びに堺市議会をはじめ、全国の政令市議会での議論が注目されます。

 一方で、新藤総務大臣閣議後の記者会見で「道州制とこの地方分権は同じ線上」とも述べており、道州制論議の方向にも注視する必要があります。