堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

住民投票の民意無視「広域行政一元化条例」は暴論

11月27日付

  11月1日の住民投票大阪市民は再び「大阪市廃止に反対」の判断を下しました。また賛成に投じた市民の多くも、よりよい大阪市への改革を願ってのものであり、今こそ分断を乗り越えて新しい大阪市のまちづくりへ力を合わせるべき時です。
 ところが、松井市長、吉村知事は住民投票直後に、「広域行政一元化条例」と「8区総合区案」を来年2月議会に提出する意向を表明しました。
松井市長は「リーダーが代わっても広域行政の一元化の体制が維持できるようにしたい」として、府・市と堺市が成長戦略や広域行政などを話し合う「副首都推進本部会議」の仕組みを条例に盛り込み、「最終的には知事の決定権のもと、市長と相談しながら知事が決定していく」「大阪市から大阪府に事務委託する方法もある」などと述べています。また、吉村知事は「財源がなかったら仕事ができません。ワンセットは当たり前」として、427事務、約2000億円の事務を府に一元化・移管することを条例に盛り込む考えを示しました。廃案となった「都」構想制度案には、成長戦略、観光、広域的なまちづくり、交通基盤整備、大規模公園、港湾、病院、高校、大学などを「府に一元化」、消防、水道を「市から移管」などとなっていました。
大阪市存続」の民意が示されたにもかかわらず、自ら自治権を放棄するのは異常であり、条例で市の権限を府に移譲することは地方自治法に規定がなく、そもそも地方分権に逆行するものです。「事務委託制度」も2000億円もの事務の委託は想定していません。また、政令指定都市制度を定めた地方自治法の趣旨をないがしろにするものです。
「総合区案」も、はじめから「合区」ありきで、住民の意思や議論をまったく踏まえずに押し付けるもので、地方自治拡充の流れに逆行しています。
 さらに府内の新型コロナ陽性者数は過去最多を更新して拡大、その約半数は大阪市内です。知事と大阪市長が今やるべき仕事は、制度いじりに職員の力と税金と時間を費やすことではありません。