自治体業務の担い手が不安定雇用のままで良いのか
2013年大阪府下自治体臨時・非常勤職員の
実態調査結果(大阪労連2013年9月実施)
(2月21日付)
大阪労連が、大阪府内における臨時・非常勤職員に係わる実態調査を発表。同調査は、06年から始まり今年度で8年目です。昨年9月末に全自治体に調査用紙郵送、全43自治体からの回答後、今年の1月に調査結果を発表しました。
正規職労働者減少、非正規労働者増加
06年から13年の8年間で正規労働者は3万5142人減少し、非正規労働者は6165人増加しています。
退職者に対する新規採用率は60・2%。新規採用率0%の自治体もあります。
大阪全体の非正規労働者の割合は、単純平均で31・5%で、50%を超える自治体は1市2町、40%を超える自治体は12市6町となっています。
正規職員が削減された結果、臨時・非常勤職員は自治体の担い手となっていますが、法的位置づけは今もあいまいです。地公法も民間労働諸法(パート労働法、労働契約法、育児・介護休業法)も適用されず、「法の狭間の存在」になっています。
メンタルヘルスでの休業
大阪府内自治体全体の6ヶ月以上病欠者は709人、うち531人(74・9%)がメンタルヘルスで休んでいます(3市が未記入)。80%を超える自治体は2自治体で、そのうちの1自治体は100%となっています。
賃金・労働条件
最低時間給の引上げは、17自治体で平均2円引き上げられ861円になりました。大阪府の地域最低賃金(819円)とほぼ同額は2市1町。820円が2市5町1村ありました。大阪府の最低賃金の引き上げに伴って引き上げた自治体は8市5町1村でした。
また、慶弔休暇や通勤手当がない自治体も少なくなく、労働条件に格差が生じています。
自治体に広がる委託・派遣
労働者派遣法に基づく派遣労働者を導入しているのは13自治体で、総数として948人です。選挙事務補助一時的業務のほかに、議会秘書受付業務、秘書業務、医師事務補助、医師事務作業補助、助産師、看護師、看護補助、看護師事務補助、事務補助、一般事務、電話交換、保育士、調理師、税関係対応など、恒常的と思われる職種に派遣労働者を導入しています。また、任期付短時間職員制度の導入により、19自治体で1078人が雇用され、さまざまな分野で住民サービスの第一線にたった専門的業務が雇用不安にさらされています。
安心して生活できる地域社会を
自治体で働く非正規職員の多くは恒常業務に従事し、正規職員とともに住民サービスに専念する一方で、雇用は不安定で労働条件は劣悪なまま放置されています。自治体の臨時・非常勤・委託労働者など公契約労働者の雇用・労働条件を確保し、仕事の「質」高め、そこからあるべき行政と公共サービスについての「地域合意」を住民・行政・事業者・労働者などの間で作り上げる運動をすすめて、安心して生活できる地域社会を作りましょう。