堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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牛丼「すき家」争議の福岡淳子さん 3月22日にも団交スタート

「働く者の声届く会社にしたい」

(3月15日付)

 労働研究者の熊沢誠氏(甲南大学名誉教授)は、「労働問題は広義の労働条件に関する現場労働者の発言権、決定参加権の有無と程度を問うことなしには真実を把握できず、その『有無と程度』を決める労働組合運動なしに労働者の職場内外での生活と人権を守りきることはできない」(『労働組合運動とはなにか』)と強調しています。

 堺市役所における一定の発言権や決定参加権(職場の民主主義)は、営々と67年間営まれてきた堺市職労の歴史のなかで培われてきましたが、今回は、その発言権をめぐって起ち上がった、民間職場で非正規で働く女性のドラマを紹介します。

 「組合員のみんなが応援してくれたことが原動力になった」──。牛丼チェーン大手・すき家の団体交渉拒否事件で、昨年末に和解したアルバイト従業員で首都圏青年ユニオンに加入する福岡淳子さん(45)が2月23日、都内で開かれた解決報告集会でこう語った。

 3月にも始まる団交で「もっと従業員の声が届く会社にしたい」と述べた。

 福岡さんは、宮城県仙台市内の店舗で今も働くバイト従業員だ。2007年2月に時間外手当などをめぐる団交を求めたところ、運営会社のゼンショーに拒否された。その間、まかない飯を無断で食べたとして刑事告訴される(不起訴処分が確定)などの嫌がらせが続いた。「何度も心が折れそうになったが、『コノヤロー』と気持ちを奮い立たせた」と明かす。

 争議ではメディアに顔と実名を出して臨んだ。お客さんから「がんばれよ」と激励された。各地の店舗前で組合員が抗議行動を展開し、心の支えになった。昨年12月にようやく和解が成立。会社側から明確な謝罪を引き出す成果も得た。

 現在、職場での嫌がらせはなくなったが、「過大な業務を押しつけるなど、現場にはパワハラまがいの実態が残っている。変えられ

るものは変えていきたい」と前を見据える。目標は「従業員がちゃんとモノを言え、きちんとした労働条件で働ける職場をめざしたい」。3月22日にも団交が始まる予定だ。