堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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「私たちは『大阪都構想』に反対です」

堺市職労の見解を発表 市民宣伝ビラも発行(2月25日付け、3月8日付け)

 堺市職労は24日、「私たちは『大阪都構想』に反対し、堺の自治と分権の発展をめざします」と題する見解を発表し、住民宣伝ビラを発行ました。

 市職労が発表した見解では、「大阪都構想」がイメージだけで論じられていることに対し、主体的かつ冷静に分析し、「わたしたちのまち『堺市』がなくなってしまいます」「財源が吸い上げられ、住民サービスの低下が懸念されます」「権限が縮小され、住民自治が後退します」の3つの課題について、東京都での実例などをもとに考えをまとめました。

 さらに、「『大阪都構想』の本当の目的は?」の項目では、「財政難の大阪府単独では不可能な『関空リニア構想』(3000億円~6500億円)、大阪湾カジノ構想などに代表される大規模事業を、住民のくらしや自治を犠牲にして強力なトップダウンですすめるのが、『大阪都構想』の本当の狙いであると考えます」と分析し、まとめとして「私たち堺市職員労働組合は、政令市となった堺市がすすむべきは、住民のくらしを支えるためにその権能をフルに活かすだけでなく、さらに区への財源・権限の移譲をすすめ、マスタープランにも示されている区民まちづくり会議の拡充・発展などを通じて区域の特色を活かしたまちづくりの推進や、近隣の市町村とも協力して大阪の地方自治を発展させるために主体性を発揮することであると考えます」「これらのことから、地方分権に逆行するといわざるを得ない『大阪都構想』には反対です」「この立場で、地域の皆様と積極的な対話をすすめたいと考えておりますので、是非ともご意見をお聞かせください」としめくくりました。

 さらに、この市職労の見解を広く市民にもお知らせし、積極的に対話・意見交換をすすめるために、「住民宣伝ビラ」を発行し、堺市内発行分の新聞各紙への折り込みや街頭宣伝活動などを展開することとしています。

 組合員・職員のみなさんも、この「『大阪都構想』に対する堺市職労の見解」に対して、ぜひご意見をお寄せ下さい。

★★★見解★★★

私たちは「大阪都構想」に反対し、堺の自治と分権の発展をめざします

                               2011年2月24日

                               堺市職員労働組合

1.私たちのまち「堺市」がなくなってしまいます

大阪都構想」では、堺市を3つに解体し、それぞれを大阪都の「区」にする考え方が示されています。

中世自治都市としての歴史文化、丘陵部にあふれる豊かな自然、そして、「私たちのまち堺をええまちにしよう」というたくさんの市民のみなさんの取り組みを通じて、つくりあげてきた堺市がなくなってしまっていいのでしょうか。

2.財源が吸い上げられ、住民サービスの低下が懸念されます

私たちは、2008年度決算から東京の都区制度をベースに大阪都区の財政をシミュレーションしてみました。

それによると、堺市の税収(1,324億円)のうち、固定資産税、法人市民税など比較的安定した税収約

443億円がいったん都に吸い上げられます。また、「区」は都の「内部団体」的な状況におかれる可能性が高いため、現在約300億円交付されている地方交付税も、いったん都の収入となってしまいます。

その結果、堺市全体では約700億円以上の減収となる可能性があります。

大阪都構想」を唱える方々は、「財政調整をおこなう」と言いますが、大企業本社と首都機能が集中し財政的に豊かな東京都に比べて、大阪府内の自治体は、財政状況が厳しく、堺市も含めて地方交付税に頼った財政運営を強いられています。

このような中、大阪都に財源を吸い上げられると、現在各市で行っている住民サービスの水準を維持することが困難になります。

また、東京の発展の主な要因は上述のように首都機能などが集中しているからであり、特別区制度があるからではありません。

3.権限が縮小され、住民自治が後退します

東京の特別区では、07年に「特別区制度調査会報告」をまとめ、現行の特別区制度を廃止し、都は「府」に純化し、区は「東京○○市」といった基礎自治体へ移行するべきという提言をしました。「大阪都構想」とは正反対の議論です。

いま堺市では、現在7つの区を単位に、まちづくりや住民参加をすすめる「都市内分権」の取り組みがすすめられています。今後さらに、区への財源、権限の移譲を行い、住民のくらしを支える仕事をすすめるべきであると考えます。

このような経過を無視して、堺市を3つに解体すれば、たとえ中核市並みの権限を与えられたとしても、地方分権と住民自治の後退につながることは明らかです。

4.「大阪都構想」の本当の目的は?

大阪都構想」では、大阪市と周辺市(堺市豊中市吹田市守口市、八尾市、松原市大東市門真市摂津市東大阪市)を特別区に再編するとしています。これらの自治体から財源と権限を奪って、何を目指そうとしているのでしょうか?

私たちは、財政難の大阪府単独では不可能な「関空リニア構想」(3000億円~6500億円)、大阪湾カジノ構想などに代表されるこれらの大規模事業を、住民のくらしや自治を犠牲にして、強力なトップダウンですすめるのが、「大阪都構想」の本当の狙いであると考えています。

5.「大阪都構想」には反対です

私たち堺市職員労働組合は、政令市となった堺市がすすむべきは、住民のくらしを支えるためにその権能をフルに活かすだけでなく、さらに区への財源・権限の移譲をすすめ、マスタープランにも示されている区民まちづくり会議の拡充・発展などを通じて区域の特色を活かしたまちづくりの推進や、近隣の市町村とも協力して大阪の地方自治を発展させるために主体性を発揮することであると考えています。

これらのことから、地方分権に逆行するといわざるを得ない「大阪都構想」には反対です。

この立場で、地域の皆様と積極的な対話をすすめたいと考えておりますので、是非ともご意見をお聞かせください。