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職員基本条例案否決

さまざまな問題点の指摘相次ぐ

 9日、市議会総務財政委員会が開催され、職員基本条例案が審議されました。採決の結果、賛成少数で否決されました。なお、前日には、文教委員会にて教育基本条例案も否決されています。

 総務財政委員会では、2日の本会議に続き、各会派から条例案に対する指摘が相次ぎました。

▼人事評価を相対評価として必ず最下位5%の職員を決定し、2年連続最下位評価の職員を分限免職対象とする取扱いについては、「現在の絶対評価の改善ではなぜ足りないのか」「どういう基準で順位をつけるのかが条例案に触れられていない」「D評価を理由として分限免職はできない」「任命権者が慎重に判断すべきで議員提案は不適切」「障害を抱えた職員などさまざまな職員への配慮がされていない」「技術の継承が困難になる」と、指摘が相次ぎました。

 その他、▼職員基本条例案全体について、「職員に対する不信に満ちている。不信からは不信しか生まれない」「JR福知山線事故は、トップダウン強化と厳罰主義の人事管理が生み出した」

▼幹部職員の任期付採用について、「幹部職員を一律に任期付採用することを地公法は予定していない」

▼人事委員会が処分を判断することについて、「人事委員会が職員の処分を決定し、その処分の撤回を第三者として判断することになり、無理がある」

▼分限や懲戒の基準を条例で定めていることについて、「任命権者の裁量権を制約することになる」「規則に比べて改正手続きが複雑になり、より硬直化した組織となる」

▼人事委員会勧告にあたり賃金センサスや市の財政状況を考慮することについて、「地公法に定められた内容以外に制約を課すことは違法」

▼同一命令に3回違反すると免職となる職務上の重要な命令の定義について、「具体例が想定できない」といった指摘がなされました。

 こうした質疑ののち、各会派から討論がなされ、「議員提案になじむものではない」「改革の意思は賛成だが手法が問題」「首長の考え方が貫かれ、職員が委縮する組織となる」などさまざまな立場から反対が相次ぎ、採決の結果否決されました。