堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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ええ仕事をするために 労働基本権の回復のたたかいは必至

6月17日付

6月14日付本紙で、字数の関係でしきれていない職場・職種別交流集会での二宮厚美神戸大学名誉教授の講演要旨を紹介します。

●「働くこと」をフランス語では、「トラバーユ」というが、これは「苦役・拷問」を意味する。そこには、楽園で禁断の木の実を口にした人間への罰で、苦役=働くことを負わせた、というキリスト教の影響がみられる。やまとことばでは、「はたらく」は、「はた(他人)を楽にする」。ヨーロッパの苦役に対して、なんとも牧歌的に見えるが、しかし本来の労働の姿を示しているようだ。
●市民から期待される仕事とは、自治体職員の公共的専門性の発揮である。昔、税務職場から、「高齢者の紙オムツ代が結構な金額になる。これを医療費控除で申請すれば、税金の控除対象になる」との実践報告・提言があり感動した。専門性を住民のために役立てる、人権保障に活用するとはこういうことだ。
新自由主義の本質は、市場原理主義であり、弱肉強食社会化であり、福祉国家の解体である。介護労働者の処遇改善こそ行うべきなのに、あろうことか報酬の引き下げが行われたことは、まったく現場実態が見えていないし、矛盾を広げるものと言わざるを得ない。
大阪維新の会橋下徹の果たした最悪の役割は、「公務員組合の敵視、バッシング」だ。思想調査アンケートに始まる数々の「パワハラ」は、政権党の首長では絶対にやれない。対して、公務労働者は、労働基本権を制約されているために、根本的な反撃ができない。不当な攻撃に対して、欧州では、刑務官が刑務所への権力(警察や軍隊)の介入を阻止するためストライキで毅然と反撃した事例がある。アメリカでも、コロナ禍のもとで、公立病院の看護師が労働条件の改善を求めてストを行った。日本の法制度の欠陥であり、労働者階級として「たたかう権利」を取り戻すことが絶対に必要だ。