堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

堺市職労(堺市職員労働組合)ブログです。

24夏季闘争 第1回団体交渉を開催

5月17日付

5月13日、総務局長、教育次長、教育監、上下水道局次長出席のもと、24夏季闘争第1回交渉を開催しました。交渉での主なやり取りを掲載します。

 

組 この交渉は、職員アンケートも踏まえて5月9日に提出した「2024年夏季一時金等要求書」に基づくものであるが、要求書に対する認識は。
当 要求書に掲げられているどの項目も職員の皆さんの思いであると認識している。


組 物価が高騰しており、民間において賃金引上げの動きが見える中、人事委員会勧告を待つのではなく、先行して本市も職員の賃上げをすべき。
当 民間企業の従業員の給与水準などを踏まえて行われる人事委員会の給与勧告は重い。給与改定については勧告を踏まえて対応すべきものと考えている。
組 人事委員会勧告の対応待ちでは、年末となる。職員の生活改善は待ったなしだ。何ができるか真剣に考えていただきたい。
組 人材確保や若年層の働きがい確保の観点から、採用に影響する初任給や若年層の給料月額を引き上げるべき。
当 令和5年度の本市人事委員会勧告を踏まえ、月額3925円(1・01%)の引上げ改定を行った。人材確保や若年層の働きがいの確保は必要であるが、民間企業の従業員の給与水準を考慮して行われる人事委員会勧告は重いものであり、これまでも人勧を尊重してきた。
組 奨学金の返済を抱える職員を支援するため、奨学金返済支援を制度化を求める。
春闘交渉においても、奨学金返済支援制度を設けている自治体の話を聞かせていただいたが、財源など課題があり、国や他政令市の動向をみて研究する必要がある。
組 初任給や若年層だけでなく、昨年度は1000円引上げにとどまった中高年齢層の職員の賃上げもすべき。
当 令和5年度の本市人事委員会勧告を踏まえ、大卒初任給と若年層に重点をおき、年齢が上がるにつれ、徐々に引上げ額を逓減することで、結果として経験年数10年から20年程度の中堅職員にも配慮した改定を行った。中高年齢層の働きがい確保も必要だが、一方で、人事委員会勧告は重い。
組 全く改善されていない実態に目を向けるべきだ。


組 令和6年4月から会計年度任用職員の期末勤勉手当の支給月数が常勤職員と同じとなるが、再任用職員の支給月数は2・35月と少ない。再任用職員には扶養手当や住居手当といった生活関連手当の支給がない。常勤職員と同様の支給月数とすべき。
当 会計年度任用職員は常勤職員に合わせる一方、国では再任用職員は民間企業に合わせた支給月数としており、再任用職員の期末勤勉手当は、再任用制度導入時(H14)の一般職(4・65月)と再任用(2・45月)の比率を現在も用いていると聞いている。会計年度任用職員と再任用職員とでは考え方が異なるため、支給月数に差があるものと考えており、国や他政令市も同様の支給月数としている。
組 国というが、再任用1級は国の2・5級相当だが、国は3級を適用している。国というなら少なくとも国3級水準にすべき。


組 R5年度から公表している男女間の賃金差異について、総じて男性の方が高い。その要因分析によると「役職者に占める割合と勤続年数の長い職員に占める割合が男性の方が高い、非正規職員が女性の方が多い、扶養手当・時間外手当を受給する職員が男性の方が多い」ことが挙げられている。非正規職員の女性割合が高いのが理由であるなら、非常勤の報酬を上げるなど、格差の是正をすべき。
当 男女間の賃金差異を縮める方策として、女性職員の役職者比率を上げる、女性職員が長く勤めることができるような制度を整える等が考えられる。堺市では有為な人材の登用を基本に、意欲と能力を備えた女性職員を積極的に登用することで、結果として男女間の賃金差異が縮まるものと認識している。


組 人事評価制度の目的とこれまでの成果・達成度について示してもらいたい。
当 人事評価は、職員の意識改革及び能力開発を促進し、効果的な人材育成を推進するとともに、より適正な人事管理に資することを目的として実施している。平成20年度に人事評価制度を導入して以来、直近では令和3年度に人事評価の通年化を行う等、必要に応じて都度、制度の見直しを行ってきた。現在の人事評価制度については、評価期間中の面談による評価者・被評価者間のコミュニケーションを通じて、職員の人材育成に寄与している。今後も引き続き、必要に応じて制度の検証や見直しを行い、より人材育成に資する制度となるよう運用していく。


組 能登半島地震の被災地に派遣される職員に対して災害応急等作業手当が支給されるようになったが、堺市内の災害時の避難所運営業務も同手当の要件に該当すると考えられ、支給すべき。
当 災害応急等作業手当については、国から手当の運用に関する通知があったため、それを踏まえて対応した。現時点では堺市内での避難所運営にかかる業務に対する支給は考えていない。職員への支給という面では、堺市内の避難所開設について、避難所へ出動するために自家用車を使用した際に、1キロあたり37円の車賃を支給できるよう制度を整備したところである。
組 避難所出動は公共交通機関利用が原則であり、あくまで自家用車は限定的な運用。その車賃をもって改善のように言うのはいかがなものか。


定年引上げについて
組 高年齢職員の賃金水準、昇給、昇任、手当も含めたモチベーション向上策を考える必要があるのではないか。
当 今年度より定年引上げを選択した職員を対象に5日間のモチベーションアップ休暇を付与した。当該休暇が定年引上げ職員のモチベーション向上に一定寄与していると考えている。
組 再任用職員と定年引上げ職員の職務の整理についての考え方を示してもらいたい。
当  定年引上げ職員は、スタッフ職として、後進の育成・指導等、組織のサポート役といった役割を中心に担う。再任用職員は、堺市職員として培った知識や経験を活かし、市の第一線の本格的な業務を担っている。
組 そうした一般論はこれまでも説明があった。実際に人員の配置もされている。当局として職場任せではなく、具体の職についてどう整理したのか、各部局に確認すべき。
組 春闘交渉において「高齢者部分休業制度について、高年齢職員のニーズを把握し、国や他の自治体の事例を研究してまいりたい」とのことだったが、研究状況は。
当  政令市の状況として、導入済の市が9市(うち、定年引上げに伴い導入した市が5市)、未導入の市が11市。自治体によって対応状況は異なる。また、導入済の9市のうち、5市はR5年度の取得実績がない。他都市の事例を調査するなかで、高齢者部分休業制度のニーズは低いと考えられる。また本市は、介護休暇などの既存の制度があり、地域貢献活動は兼業等として認めてきた。それらの制度の周知等を行うことで、高齢期職員の多様な働き方を促進できる。高齢期職員の多様な働き方確保の観点から、引き続き研究したい。


組 OB未配置ポストについては6ポストと示された。一方で任用されないキャリアプラスもいる。70歳までの雇用を努力義務とする高年齢者雇用安定法について、認識と今後の対応について示してもらいたい。
当  高年齢者が活躍できる環境の整備を目的とした高年齢者雇用安定法は、令和3年4月に一部改正され、従来の65歳までの雇用確保(義務)に加え、70歳までの就業確保措置を講じることが努力義務として追加された。本市では、技術や知識の円滑な継承及び安定的な人材の確保を図ることを目的に、再任用職員として任用されたことがある66歳から70歳までの者のうち、引き続き本市において働く意欲と能力のある者を会計年度OB職員として任用する会計年度OB職員(キャリアプラス)制度を実施し、70歳までの就業確保に努めている。
組 意欲と能力があるのにポストがなく任用されない。まだまだ努力いただきたい。

 

組 今年度の4月1日現在の職員数は、昨年度比でどうか。
当 消防局を除く職員数のうち、主な職員区分の増減は、
正規職員4414名(▲3名)
定年引上げ職員82名
再任用常勤165名(▲72名)
再任用短171名(+2名)
会計年度OB415名(+15名)
組 現在、欠員となっている職種、人数及びその対応について示してもらいたい。
当 消防を除く、R6・4・1現在欠員状況は市長部局では、一般事務8名、土木6名、建築3名、電気1名、社会福祉7名、学芸員2名、精神保健福祉士2名、薬剤師1名、保健師4名の計34名。教育委員会はなし。上下水道局は、事務2名、土木9名、電気3名の欠員。欠員については内示後に退職の意向が示された1名を除き、会計年度OB・キャリアプラスで対応。生じた欠員に対しては、会計年度非常勤職員やキャリアプラス職員を配置する等している。
組 令和6年度末の定年退職者数、60歳到達者数を示してもらいたい。
当  消防局を除く令和5年度末の定年退職者数は82名、60歳到達者数は118名である。
組 来年度の職員の採用数を決定するにあたっての基本的な考え方は。
当  職員の採用にあたっては、60歳到達職員数、普通退職者数及び辞退の見込み数、その他欠員や各部局における業務計画等を踏まえながら決定している。
組 生活保護CWの確保状況と今後の採用計画を示してもらいたい。
当  標準数に対するCWの充足率については、令和6年度で75%。中区事案に係る検証委員会の報告や当該報告を受け策定された取組計画も踏まえつつ、必要な採用数の確保に努めてまいりたい。
組 初年度から取組計画の目標が未達成となっている。さらに検討し、いつ充足率を100%にするのか示していただきたい。
組 直近の採用辞退者数増加について、どのように考えているのか。
当  辞退者数については、他自治体や国、民間企業との人材獲得競争の現れと認識している。辞退の抑止については、採用予定者向け説明会の複数回実施や、現職技術職員との交流機会の確保等の取組を行っており、他市の取組事例等も参考にしながら、引き続き抑止に向けた取組を進めたい。なお、必要な採用数を確保するため、最終合格者数については辞退者数の見込みを含めたうえで決定している。
組 土木職は10月1日採用を実施するが、他職種の欠員も深刻。他職種でも検討すべき。
組 令和6年度体制で、育休代替の正規職員を何名確保できたのか。
当  令和6年度の人員配置については一般事務では2名増員し8名、保健師で1名育休代替の正規職員を加配した。
組 過去3年間の育休者数の推移を示してもらいたい。
当  通年で育児休業を取得する職員は、全体で令和4年度は61名、令和5年度67名、令和6年度は見込で58名となっている。3年間の平均として、通年で育児休業を取得する職員は年62名となっている。
組 保健師、保育教諭、社会福祉職、精神保健福祉士の産前産後・育休代替任期付職員の確保状況はどうか。
当  令和6年4月15日時点の産前産後休暇又は育児休業者数は46名で、内訳は、社会福祉16名、精神保健福祉士1名、保育教諭18名、保健師11名である。任期付職員の任用数は17名で、内訳は、社会福祉7名、保育教諭5名、保健師5名であり、任用の時期や休業期間によっては会計年度非常勤職員の任用等で対応しているものもある。
組 育休加配の人数や職種の拡大について、どのように考えているのか。
当  正規職員による代替の職種の拡充は、まずは通年育休者の人数が多い一般事務の人数を増員した。一般事務の代替人数は、令和元年度に3名、令和2~4年度に5名、令和5年度は6名、令和6年度に8名で運用してきた。通年育児休業取得者は増減があることから、人数については、今後育休者の推移も見ながら必要な対応について検討していく。
組 他市では、100人単位で代替者を確保すると報道されたものもある。人数や職種の大幅な拡充が必要だ。


組 能登半島地震への職員派遣の現状と今後の見込みはどうか。
当  発災からこれまでの間、本市では救急・救助活動や応急給水、下水道管路被災調査、応急危険度判定、保健師による健康支援、避難所運営、被害認定調査業務などに加え、この4月からは輪島市へ土木職1名、建築職1名の中長期派遣を開始するなど全庁を挙げて支援を行っている。今後、新たに上下水道局から6月より能登町能美市へそれぞれ土木職1名(計2名)を中長期派遣する方向で調整している。短期派遣として支援を行っている避難所運営業務や被害認定調査業務は、輪島市から5月末までの支援を要請されており、5月末での終了を予定している。


  その他、労働者派遣について「常用代替があってはならない」と改めて指摘しました。
 最後に林田委員長から「賃金や体制についてやり取りした。冒頭に確認した使用者責任をどう果たすのか、具体化していただきたい」と求めて、交渉を区切りました。

 15日の第2回交渉は後日、報道します。