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自治労連が総務省・厚労省へヒアリング 時間外上限規制の厳格化と自治体職員の大幅な増員を!

6月8日付

自治労連は5月31日、「職員まもる運動」の一環として、総務省厚生労働省へのヒアリング、総務省への「まもる署名」提出、コロナ危機で濫用される労働基準法第33条に関する記者会見を行いました。

 

総務省厚労省ヒアリング
 2年にわたるコロナ対応が「臨時の必要」であるとして、自治体職員は過労死ラインを超えて働き続けています。このようなもとで、自治体の長時間労働の根拠とされる労働基準法第33条の運用の課題について、総務省厚生労働省ヒアリングを行いました。
 小松さん(大阪府職労)は「36協定を締結して33条の届出をしていても、職員ひとり一人の健康は確保されていない。(33条の)運用の見直しを」と、新沼さん(岩手自治労連)は「小規模自治体は合併などで職員数が減らされてきた。そのような時に震災が発生した」と、東日本大震災を経験したことも交え現場の状況を訴えました。
 また、西山さん(京都市職労)は京都市のある職員の例を挙げ「年間850時間、繁忙期には毎月130時間の時間外勤務で、夫と平日に食事をしたのが2年間で2~3回。働きすぎのせいか流産もした」と、現場の職員の切実な状況を、武藤さん(名古屋市職労)からは「保育士は子どもたちと日々接しており、感染リスクが非常に高く、自制しながら生活している。累計で4万5千人もの保育職員が感染しているにもかかわらず、公務災害請求件数があまりにも少ない」と3月31日時点で保育士の公務災害請求件数がわずか6件にとどまっていることを指摘しました。
 これらの訴えに対し、厚生労働省の担当者は、「『臨時の必要』であったとしても、健康が害されることがあってはならない」「恒常的に時間外・休日労働が行われている場合には、人事管理上の措置や業務の見直し・効率化等の措置によって対応すべきであるが、そういった措置を講じても時間外・休日労働をせざるを得ない場合には、第33条の適用が認められる」と回答しました。
 総務省の担当者は「必要な行政サービスを提供するための人員をどういう水準で確保するかは各自治体が判断すること」と、自治体任せの発言に終始し、具体的な対策については明言しませんでした。
 最後に長坂副委員長は「2年にもおよぶコロナ対応はもはや『臨時』ではない。職員の健康が守られるよう、上限規制と人員体制の拡充が必要」と訴えました。
署名提出・記者会見
 「職員まもる運動」の一環として取り組んだ「職員まもる署名」2万161筆を総務省へ提出。記者会見では、山口弁護士が労働基準法第33条に関する問題提起として「第33条の『臨時』は厳密に解釈し、その運用を厳格に行うべき。2年半にわたって過労死ラインを超える長時間労働が発生しうる現場は到底『臨時』とは言えない」と指摘。
 植村さん(大阪府職労)は「保健所の感染症担当者は日付が変わるまで働き続け、公用携帯電話を持ち帰っている。コロナだから、自治体職員だから、保健所だからやむを得ないと放置されている。私たちは自治体労働者として、住民のいのちとくらしを守りたいと願っている。だからこそ、安心して仕事を全うするためにも、人間らしさを維持して働くため、労働基準法第33条の見直しや明確な基準を作ってほしい」と大阪府の保健所の実態と自治体職員が安心して働きつづけるための法の見直しを迫りました。続いて、西山さん、新沼さん、武藤さんがそれぞれ現場の切実な状況を話し、公務員にも時間外労働への規制を設けることや必要な人員を確保するよう訴えました。