堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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酷暑 五輪を考える アスリートファーストからほど遠い実態

8月2日付

  「この時期(7月~8月)の日本の天候は晴れる日が多く、温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる、理想的な気候」

 これは当時、安倍首相らが五輪招致の立候補ファイル(2013年1月)で世界に向け発信した言葉です。しかし日本では「スポーツの秋」という言葉はあっても、「スポーツの夏」という言葉はありません。
 緊急事態宣言が発出されるもと、開催中止を求める署名が多数集められましたが、そうした国民の声を押し切って、政府は緊急事態宣言が発出される下でオリンピック・パラリンピックの開催に踏み切りました。
 オリンピック憲章には「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」と高く掲げられています。しかし、東京五輪は、組織委員会関係者の言動が深刻な人権問題として批判され、開会式まで辞任が相次ぎました。
 大会が始まると、連日の一流のアスリートの活躍に熱い視線が注がれています。
 一方、アスリートにとってはこれまで経験したことのない酷暑の中での競技が強いられています。「間違いなくきつかった。足が焼けるようなクレイジーな感覚」(スケートボード)、「選手の体調をもっと考えてほしい。なぜ時間を遅らせないのか」「試合は終えられても死ぬかもしれない」(テニス)。アーチェリーでは、競技後に熱中症の症状で選手が倒れ、トライアスロンではトップの選手がゴール直後に倒れこみ、嘔吐しました。
 この時期に実施を強行した背景には放映利権があると指摘されています。アスリートファーストからほど遠い深刻な実態です。
 菅首相は五輪の光ばかりに目を向けていますが、こうした酷暑問題、さらには3000人を突破したコロナ禍には無関心です。コロナでも五輪でも菅首相には実態を直視することが求められています。