8月2日付
広島と長崎への原爆投下から76年目にあたる8月6日と9日を中心に、今年の原水爆禁止世界大会は、コロナ禍のもと、「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を~人類と地球の未来のために」をテーマに今年もオンラインで開催されます。
今年の世界大会は、2017年7月7日に国連で採択された核兵器禁止条約が1月22日に発効して、初めての大会となります。禁止条約を批准した国は55か国(7月12日現在)となり、核保有国やその同盟国での世論調査でも核兵器禁止を求める世論が広がっています。日本国内でも、「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」が50万筆を超えて広がり、同趣旨の意見書を採択した地方議会は593議会(7月20日現在)にのぼっています。
一方、核保有国は、禁止条約に加盟しなければ直接の法的拘束力は受けないとして、引き続き核兵器の近代化を進めています。バイデン米政権の対中戦略と中国の国際法違反の覇権主義的行動による米中の対立のもとで、アメリカの同盟国である日本や韓国、オーストラリアやインド、NATO加盟国らが、台湾への関与も含めて米国との連携を強めています。とくに、アメリカの核抑止力にしがみつく菅政権が、禁止条約に背を向けるばかりか、日米軍事一体化と軍事力増強に突き進んでいることは重大です。南シナ海や台湾海峡で米中の軍事衝突が起これば、核兵器の使用が現実のものとなってしまいます。
いま、核兵器をなくすことは喫緊の課題であり、核兵器禁止条約の批准国を広げることが重要となっています。同時に、軍事一辺倒の政策や行動ではなく、国連憲章や国際法にのっとり、平和的解決、外交努力を行うことが不可欠です。
こうしたもとで「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を~人類と地球の未来のために」をテーマに開催される今年の世界大会は、禁止条約の歴史的な意義を再確認し、核保有国に対して違法な核兵器を「今すぐ廃絶せよ」、「核兵器禁止条約に参加せよ」と迫る重要な意義を持っています。同時に、非核平和のアジア・太平洋のための国際連帯を発展させるとともに、禁止条約に参加する日本を実現する決意を示す重要な意義を持っています。
また、「黒い雨」訴訟での広島高裁判決を受け入れ上告を断念した菅政権に対して、すべての被害者の救済を求めることも重要な課題です。
世界大会は、8月2日に国際会議、同6日にヒロシマデー集会と現地企画、同9日にナガサキデー集会と現地企画、5つのテーマ別集会や関連企画が行われます。今年の世界大会もオンライン開催となりますが、昨年と違ってユーチューブ配信がありません。視聴をご希望の方は、組合事務所までご相談ください。