堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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多様で柔軟な働き方の実現を目的としたテレワーク試行交渉

本格実施は労使合意のうえで(11月11日付)

 11月9日(月)、「職員のテレワーク(在宅勤務)の実施」 について、総務局長、教育次長、上下水道局次長出席のもと、団体交渉を行いました。

 

【多様で柔軟な働き方としてのテレワーク試行実施の概要】
当局 本市においては、新型コロナウイルス感染拡大防止の趣旨からテレワークを試験的に実施してきた。一方で、社会情勢の変化に伴い、全国的にテレワーク導入の議論が活発になされている。本市においても、「堺市職員働き方改革プラン」により進めている職員の働き方改革の取組の一つとして、職員一人ひとりのライフステージ等に応じた多様で柔軟な働き方の実現を目的に、テレワークを導入したい。
 ついては、これまでの「感染症拡大防止のためのテレワーク」の制度運用上の課題を踏まえつつ、「多様で柔軟な働き方としてのテレワーク」の本格的な実施に向けた課題を抽出し、よりよい制度とするため、令和2年11月から令和3年3月までの間試行実施したい。
▼庁外アクセス機能を用いるテレワーク
▼対象者は、常勤の正規職員だけでなく、短時間も含めた再任用職員
▼実施頻度
1日単位。週に2回以内
▼時差勤務の併用
▼勤務時間管理や連絡はビジネスチャットを利用


【検証内容】
(作業環境)
組合 試行実施で検証したい課題は。
当局 試行実施においては、感染拡大防止のために実施したテレワークにおいて課題となった、「部署ごとの特性に応じた課題の把握・整理」、「申請・報告手続きの簡素化」、「テレワーク中の時差勤務」などを中心に検証を行いたいと考えている。また、試行実施によって、課題が新たに抽出されることも期待している。
組合 必要な執務環境の確保のため、国からも「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」が出されている。遵守できるよう検討されるべき。
当局 ガイドラインに示されている事項のうち、特にどのような点が課題となってくるのか、試行実施における検証を通じて、併せて検討したい。
組合 どう担保するか。
当局 勤務場所が自宅となるため、照度など業務をするにふさわしい環境かどうか、まずはチェックリストに基づき管理職が確認していきたい。
組合 在宅で通信環境がない職員についてはどのように考えているのか?
当局 令和3年3月から閉域SIM(200人分)の導入、貸与を考えている。

 

組合 労働時間の適正な把握(勤怠管理)や長時間労働対策、テレワーク作業を行う自宅の作業環境の確保、勤務場所の明示、適切な人事評価などについてはどう検証していくつもりなのか。
当局 試行実施期間中に、職員アンケートの実施等により、具体的な課題やニーズ等の把握を行い、対応を含めて検討してまいりたい。
組合 時間外のアクセス制限やメール制限は実施するのか。
当局 現状は、制限を想定していない。試行の中で、事例が多々あれば、パソコンが接続できないような対応も考えたい。パソコンアクセスのログは確認できるが、まずは勤務時間の前後の連絡で勤務管理したい。
組合 連絡だけで勤務時間を管理するのは不十分。5日の第1回交渉でも「持ち帰り・サービス残業あってはならない」と当局は述べていた。外形的には、テレワークも持ち帰りも家庭で仕事をする。また、ビジネスチャットの本格実施も予定されていると聞いている。便利な一方で勤務時間があいまいになるとの声もある。運用についてもきっちり定めるべき。


(困難な職場への対応)
組合 試行する中で、テレワークを実施しやすい職場と困難な職場が明確になってくると思われるが、テレワークの実施困難な業務や部署について、当局としてはどう対応していくのか。
当局 それぞれの所属の業務の性質上、テレワークが実施しやすい部署と、困難な部署はある。困難な部署においても、今回、あえてテレワークの対象外とせず、テレワークに馴染む業務を切り出す等して実施していただき、テレワークしにくい部署における課題抽出に協力いただいた上で、どのような対応が適切であるか検討してまいりたい。
組合 私たちのアンケートでも「現場対応が必要」「個人情報等を扱う」「市民対応が必要」など90%の方が課題を感じている。不公平感が生じないように、しっかりと検証していただきたい。


【試行期間】
組合 これらの課題検証にはしっかりと取組み、適切なテレワーク導入をめざすべきである。これらの課題検証を行うには、提案の期間では短すぎる。
当局 趣旨は異なるが、本年3月からこれまでの間、感染拡大防止のためのテレワークを継続的に実施し、既に多くの方に経験してもらっている。これまでの実施において抽出された課題もあり、一定の改善も踏まえての試行実施でもあることから、提案の期間としたもの。課題検証にも丁寧に対応した上で、できるだけ早期の導入をめざしたいと考えている。
組合 コロナ対応では、多くが紙資料での業務等に従事した。今回とは性質が異なる。より丁寧に検証を行うのであれば、1年間をとおしての試行が必要。これから試行しようというのに4月から本格導入というのは拙速だ。
当局 課題検証を行う中で、期間が不十分であると考えられる場合には、試行実施期間を延ばした上で、並行して協議を進め労使合意に努めてまいりたい。
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 最後に、丹野副委員長が、「試行・本格実施を急ぐ理由が理解できない。労使合意に向け交渉を継続すること」を確認し、交渉を区切りました。