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安倍政権下で働く者の命をどう守るか

もはや、労働組合がなければ生きていけない (12月11日付)  『安倍政権下で働く者の命をどう守るのか~もはや、労働組合がなければ生きていけない~』と、少し大げさに聞こえた方もおられるかもしれませんが、11月8日、大阪労連などが事務局の労災職業病学校での東海林智さん(毎日新聞記者)の講演から、今の労働社会について考えます。 自ら委員長として実践  東海林さんは、労働行政や労働組合運動、さらに貧困問題を幅広く取材されるとともに、『貧困の現場』や『15歳からの労働組合入門』という書籍も出版され、過去には新聞労連という加盟人員約2万2千人の産業別労働組合の執行委員長も担われていました。 モノ扱いされる現実  その東海林さんが初めに強調したのは、「労働は商品ではない」との1944年の国際労働機関(ILO)の宣言でした。  「人が働いているという認識があれば、派遣切りなどできないはず。毎日ごはんを食べ、どこかで朝を迎えなければならない」と指摘。しかしこのあたり前のことを打ち消す派遣切りがあったことを、誰もが否定できないのではないでしょうか。  そして、今もその危険性は変わらないのです。安倍内閣の「規制改革会議」雇用ワーキンググループが、人に対して「余剰在庫」「価格調整」というモノ言いをしていると、東海林さん。 まやかしを見破る  さらに、安倍内閣が狙う「ホワイトカラーエグゼンプション」「解雇の金銭解決」を例に挙げ、警鐘を鳴らします。  ホワイトカラーエグゼンプション(残業代ゼロ制度)では、国民感情を納得させ、分断を図るため、年収1000万円超で裁量のある専門的業務を対象としていますが、実はこれは、「小さく生んで大きく育てる」「アリの一穴」という、規制緩和が進められてきた労働者派遣法の歴史から学んでいると、どれくらいの人が見抜けているでしょうか。  「年収1000万円を超えれば長時間労働に耐えることができる不死身の体をもっていますか?」との問いかけに、「1000万円もらっても不死身の体とは別」ときちんと答えられても、労働者は1000万円という数字にハメられてしまう、その心性につけ込む安倍政権のあざとさを感じずにはおれません。  解雇の金銭解決については、「解雇無効の判決が出ても、解雇ができる制度。会社は裁判のリスクを考えずに、不当解雇を合法化できる。気に食わない社員は誰でも解雇できるようになって、労働者に何の発言ができるでしょうか」と問いかける東海林さんに、うなずかざるを得ません。 労働組合がなければ、人間らしく働けない  最後のハイライトは、労働組合がある理由。一番重要なのは、―現場(職場)での発言権を獲得すること、自分の労働条件に関与すること―と。「どんな理不尽なことにも、どんな法違反にも、労働組合がなければまともに発言できない。声を挙げない限り、無かったことにされる。一人で声を挙げるには勇気がいるので仲間が必要。仲間とつながることが大事」「モノを言って変わるのか、変えることができるのか。労働組合としての勝利体験がない世代が増えていることを前提に、長く力を込めて説得することが大事ではないでしょうか」と助言されました。