堺市職労(堺市職員労働組合)ブログ

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人事院、「給与回復・改善勧告」の要求にこたえず

全労連公務部会・公務労組連絡会が夏季重点要求めぐり中間交渉 (7月26日付)  自治労連も加入する公務労組連絡会は19日、人事院勧告にむけた夏季重点要求の実現を求めて、人事院と交渉しました。交渉では「賃下げ法」が実施されているもとで「給与回復・改善勧告」をせまりましたが、人事院は、昨年の勧告と同様に俸給表上の金額で比較して勧告すると回答し、交渉団から抗議の声が集中しました。  交渉の冒頭、公務労組連絡会の議長は「昨年の勧告では、7・67%の官民較差を人事院みずからの調査で認めながらも、改善勧告が見送られた。賃下げが地方公務員や教職員にひろがる状況のもとで、昨年のような勧告を繰り返してはならないという点を厳しく指摘する」のべたうえ、要求に対する現時点での検討状況を求めました。 人事院中間回答】 (勧告作業等について)  今年の民間給与実態調査は、5月1日~6月18日までの期間(49日間)で実施した。今年の民調では調査対象産業を拡大して実施し、現在集計中である。  本年も、労働基本権制約の代償機関として、人事院としての責務を着実に果たすよう、国家公務員の給与と民間企業の給与の精緻な調査に基づき、その精確な比較を行い、必要な勧告、報告を行って参りたいと考えている。  なお、昨年の勧告においては、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(給与改定・臨時特例法)に基づく給与減額が行われているという例年にない状況の下、減額前の較差を算出し、併せて減額後の較差も算出し、その上で、勧告の前提となる官民比較については、給与法に定められた給与月額を基礎として行うことが適当と考えたところ。平成25年度においても引き続き臨時特例の給与減額が行われている現状にあることから、昨年と同様の取り扱いになるものと考えている。 (50歳台後半層の給与の見直しについて)  50歳台職員の給与については、昨年の勧告時の報告において述べたとおり、官民の給与水準は全体として均衡させているものの、50歳台、特に後半層における官民の給与差が相当程度存在している状況にある。そのため、引き続き、民間賃金の動向を踏まえ、毎年の給与改定における措置等、必要な対応について検討を進めるという方針に変わりはない。 人事院勧告の本来の役割を果たせ  これに対して、組合側事務局長は、「賃下げ法」の実施から1年以上が経過し、地方公務員・教員に対しても賃下げが押しつけられている。生活の悪化は深刻であり、生活改善できる勧告を出すことが人事院の役割だ。昨年のように勧告を見送るならば、「情勢適応の原則」をさだめる国公法違反を繰り返すこととなり、そのことは、人事院の存在意義さえも否定するものだ。本日の回答は断じて認められるものではなく、再考を強く求めるとしました。 交渉のまとめとして議長は「本日は、重点要求に対する中間的な回答としてうかがった。公務員制度改革関連法案が廃案となり、現政権は、労働基本権回復にむけた道筋さえも示していない。そのこと自体、認められるものではないが、引き続き労働基本権が制約されるもとでは、『代償措置』である人事院勧告制度が、公務労働者の賃金・労働条件改善にむけて積極的な役割を果たすべきだ。誇りと働きがいが持てる職場づくりにむけて、政府方針などに左右されることなく、毅然とした給与改善勧告を求める」と主張しました。