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『賃下げ法』を容認し、自ら責務を放棄した人事院~12人勧

公務公共労働者のがんばり・願いに背を向ける勧告

(8月9日付)

 人事院は8日、国会と内閣に対して国家公務員にかかる給与勧告を行いました。

 その内容は、平均7・8%もの賃下げが実施されているにもかかわらず、架空の「官民格差」を用いて基本賃金・一時金とも『据え置き』とするほか、55歳超昇給ゼロ、昇格時賃金の改悪などをうたう、人事院自らの責務を放棄した不当なものです。

 8日に出された人事院勧告は、国家公務員に平均7・8%の賃下げが実施されているもとで、プラス7・67%(28、610円)となる「実際の官民較差」に目をつむり、俸給表及び一時金の改定を見送り、55歳超職員の昇給停止(標準者)・昇格時対応号給の引下げをすすめるものです。

 民主党・野田内閣は、自公両党との大連立で「税・社会保障の一体」改悪、消費税増税に象徴される国民生活の切り捨てと負担増を強行しようとしており、その「露払い」として「公務員総人件費削減」を進めてきました。勧告は、7日に閣議決定された、退職一時金の402・6万円もの削減とともに、「国民の暮らし優先」から「財界・大企業奉仕」に明確な舵を切った政府に、人事院が追随した結果にほかなりません。

 さらに勧告は、深刻な消費不況から脱却できない日本経済と、とりわけ困難を抱える地域経済にも打撃的な影響を与えるものです。もとより公務員の賃金水準は、全国で600万人を超える公務・公共関連の労働者をはじめ、少なくない民間労働者にも大きな影響を及ぼしています。実際に、今春闘においても、多くの経営者から国家公務員の賃下げを口実にした賃金抑制の声が聞かれ、低額での終結を余儀なくされています。いま求められていることは、労働者・国民の購買力を高めるための、積極的な賃金引き上げや中小企業支援です。

 公務公共労働者は、厳しい人員抑制のなかで、東日本大震災からの復興など日々全力で奮闘しています。7・8%の賃金削減の中でも職務に精励する国家公務員のがんばりと生活を顧みることなく、さらに労働者・国民の生活向上の願いに背を向ける勧告を、決して容認することはできません。