労使協議を尽くさない退手改悪に抗議し、
公務員賃金の早期改善を求める(11月21日付)
政府が17日、人事院が8月8日に行った0・15%の賃金改善と一時金の0・10月改善を求めた17年人事院勧告の実施とともに、官民均衡を口実に退職手当引き下げを閣議決定したことに対し、公務労組連絡会幹事会は17日、以下の内容の声明を発表しました。
■勧告内容は、生活改善できる水準ではなく、「給与制度の総合的見直し」の2%賃下げの現給保障中の多くの公務労働者の実支給額は変わらない不満なものである。同時に、「給与制度の総合的見直し」の完成により来年4月からは現給保障の廃止によって多数の公務員労働者が賃下げとなる重大な問題を含んでいる。一方で、4年連続となった賃金改定の早期実施に公務労働者の期待は大きく、また最低限の権利でもあり、早期の実施を強く求める。あわせて、賃下げの不利益変更を回避するための対応を強く求める。
■退職手当については、実質的な労使協議を尽くさず、来年1月1日から基本額の調整率を3・77%引き下げるとした。公務労組連絡会は、公務労働者をはじめとする労働者の賃金抑制が消費需要の低迷の要因であることを指摘し、5年前の400万円超の引き下げに続く退職手当削減の中止と公務労働者の賃金改善を求めてきた。また、官僚優遇の退職手当の調整額の見直しを強く求めてきた。公務労働者の労働基本権を制約したもとで、こうした道理ある要求も聞き入れずに労働条件の不利益変更を押しつける暴挙は断じて認められない。退職手当の引き下げ決定にあらためて抗議するものである。
■公務労組連絡会は、勧告直後に政府に対して要求を提出。
公務員賃金は約770万人の労働者に直接影響するものであることを示し、賃金の改善とともに、地域経済を活性化させるためにも「公務員総人件費削減」や「給与制度の総合的見直し」を中止し、地域間格差を是正するよう求めてきた。
また、非常勤職員の処遇について、日本郵便の労契法20条違反を問う裁判で住居手当や夏期冬期休暇の格差を不合理と断罪した判決も示して、賃金の改善をはじめ休暇制度の拡充等を強く求めてきた。引き続き、政府による「同一労働同一賃金」を公務職場で実現することと合わせて、最低時給1000円以上や雇用の安定など臨時・非常勤職員の処遇改善と均等待遇の実現をめざして奮闘する。
公務労働者の雇用と年金の確実な接続にかかわっては、政府による定年延長の検討にかかる労使協議の早急な実施を求める。あわせて、希望者全員のフルタイム再任用の確保と処遇改善にむけた政府の責任を追及する。
■本年の人事院勧告等の取り扱いは、給与法改正法案等として特別国会での審議へと移る。先進国のなかで最も少ない人員体制のもと、非常勤職員を含む公務労働者の奮闘によって公務・公共サービスが支えられていること、また、公務員賃金に対する誤解や偏見などを払しょくするため、政府として丁寧に説明するなど、国民の理解を広げるための対応を強く求める。同時に、政府は、国との均衡をタテに地方公務員や独立行政法人職員の給与決定への介入・干渉を強めているが、地方自治や労使自治の原則を尊重し、不当な介入は行わないよう求める。
公務労組連絡会は、18年春闘も念頭に、国民全体の奉仕者であり、憲法擁護の責務を負う公務労働者として、国民生活擁護と憲法改悪阻止のたたかい、全国一律最低賃金制度の確立や賃金の底上げをめざして全力をあげる決意を表明する。