提案根拠を明確にせよ
堺市の実情を踏まえた判断を
(5月8日付)
4月30日、総務局長、教育次長、上下水道局理事出席のもと、退職金削減提案について、提案説明を受けました。
当局は、①国家公務員が、人事院の民間企業退職給付調査(平成24年3月)を踏まえて退職金を引き下げたこと、②堺市についても、民間企業、国及び他の自治体との均衡を図る必要があることから、国家公務員に準じて支給割合を引き下げるとしました。
民間企業退職給付調査
◎民間25,477千円(企業年金15,0 63千円+退職一時金10,415千円)
◎公務29,503千円(共済職域部分 2,433千円+退職手当27,071千円)
→4,026千円の差
提案根拠を明確に示すよう指摘
組合:人事院の前回調査(H18年度)では、公務民間比較がほぼ均衡していたものが、今回なぜこんなに差が出たのか。
当局:近年の経済状況の変化や民間賃金の低下等の影響が大きいと考えている。
組:退職金(退職金額=退職時の給料月額×退職手当支給割合+調整額)の算出根拠となる給料月額について、国との給料比較であるラスパイレス指数は、近年ずっと政令市で下から2番目。国との差があり、均衡を失している。
当:給料については、地域の情勢についてそれぞれの人事委員会が調査し、勧告した結果と考えており、ラスパイレス指数に差は出る。今回の退職金引下げ提案は、支給割合について均衡を図るもの。
組:なぜ退職金に地域差があってはいけないのか。堺市の独自事情も加味せよ。他市で独自の支給割合になっている市はないのか。
当:政令市20市中14市ですでに4月から退職金の引下げが行われ、支給割合が国とは異なる制度の市もあるがそれも見直しを行っていると聞いている。給与は地域の実情を反映し、退職金支給割合は水準を反映したい。
組:退職金支給状況について、人事院や総務省のデータとの比較を一定行っているが、堺市データ(勤続20年以上の定年退職及び平均勤続年数があるもの)と比較できる資料はどれなのか。国に確認してほしい。
当:比較がきちっとできる資料はない。国と堺市の支給金額に大きな差はないと考えているが、一度確認したい。
組:数字の根拠として、堺市の民間企業との比較はあるのか。
当:堺市人事委員会として調査は行っていない。堺市内の民間企業比較の資料は持ち合わせていない。
組:国の退職者がどの級や号給で退職しているか資料はあるか。
当:把握していない。
組:見直しを言うのであれば、当然、国と退職時の賃金格付けも合わせるべき。
堺市の事情を踏まえ独自の判断を
組:国からの7.8%賃金カットについて、4月で実施しているのは政令市で何市か。
当:7.8%カットを理由としたカットを行っている市はない。
組:堺市は独自の判断で賃金カットを行ったし、各市も独自の状況の中で判断していることを踏まえるべき。退職金削減の根拠は何か。
当:地方公務員法第24条及び国家公務員の退職手当引下げの閣議決定(昨年8月)。
組:賃金カットは、地方公務員法第24条と閣議決定に加えて給与特例法附則の規定も根拠にしていた。それでも、各市は独自に判断している。退職金についての当局の説明を聞いていると、客観的な根拠が明確に示されていない。結局のところ国や他市が行っているからというだけの理由。交渉する以上どう解決するつもりか。(つづく)